第23話 希望の光
一気に解決するかと思われた事件も、
それに、あれが
あれから数ヶ月経ち、私、
半月に一度くらいのペースで、みんな「COLOR ENERGY」に集まる。いろんな情報交換のために。勿論、それだけのためではなく、仲間と一緒に過ごしたいだけなのかもしれないけれど。
今日も清羅ちゃんが差し入れてくれたお菓子に、花梨が一番に飛びつく。
「じゃあ、コーヒー入れますね」
と、シエルさん。
「あら、珍しい。サトルさんのお茶じゃないんだ」
と、明日香さんが言う。
「シエルさんのコーヒー、すっごい美味しいんですよー!!」
と、私がフォローするように言うと、
「お前だけズルいな、いつの間にだよ」
隣で一磨さんが笑う。
シエルさんは、みんなにコーヒーを配り終えたあと、そっとホットミルクをサトルさんの前に置いて行く。
「あ、ああー!! もしかして!」
明日香さんが急に叫ぶ。
「あー!!」
清羅ちゃんも、花梨までも。
「サトルさん??」
明日香さんが言うと、サトルさんが微笑んで頷いた。
「わぁー!!」
大喜びの女子3人の中に入って行けず、一磨さんと顔を見合わせる私に、3人とも笑いながら言う。
「あ・か・ちゃ・ん」
「ええええええ!!」
私は思わず泣いてしまった。嬉しくて嬉しくて仕方がない。二人が幸せなのが。そして、みんながそれをこんなに喜んでいるのが。
「馬鹿ねぇ、何泣いてんの。めでたいことなんだからさぁ」
明日香さんが大笑いしている。
「だって……嬉しくて……」
私が言うと、明日香さんがもっと笑って言った。
「透子じゃない、そっち、そっち」
隣を見ると、一磨さんが号泣していて、可笑しくてまた泣いた。
「僕達は、子供は作らないつもりだったんです。子供が二人の能力を遺伝して生まれるかもしれない、片方の目だけが緑色の子が生まれるかもしれない、それでは生き
そう言いながらシエルさんはサトルさんの席の隣に行き、そっとサトルさんの肩に手を置いた。
「だけど、そんな僕らに、あなたたちは勇気をくれました」
二人微笑んで視線を合わせる。
「私は、私達の子供が、どんな力を持って生まれてきてくれてもいいと思えるようになったの。どんな風に生まれても私達の愛する者に違いないと。そう思えるようになったのは、ホントに、あなたたちのおかげです。ありがとう」
二人がそう言うと、わぁ〜!!という歓声と共に、拍手が起きた。
日常が非日常になること。普通だと思っていた私が、こんな普通ではない力を得てしまったこと。それは未知の世界で、何もかも解らなくて、最初は怖くてたまらなかった。それなのに、今はこんなに笑っていられる自分がいる。
これが終わりではなく、これからも『闇』との戦いは続いていくのだろう。それでも、この仲間たちとならきっと乗り越えていける。そう思う。
プリズム 緋雪 @hiyuki0714
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