第24話 特別編 おまけ
「ユート先輩~!」
と叫びながら彩が近づいてきた。
「あや……ちゃん」
俺は不覚にも泣きそうになった。
慌てて自転車から降りた悠人に向かって息を切らしてやってきた彩が
「ユ、ユート先輩、私……私、ユート先輩が好きです!」
「あや……ちゃん、俺も……」
悠人は胸がいっぱいでそれ以上何も言えなかった。
爽やかな風が吹き、小鳥のさえずりが二人を優しく包んでいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日、悠人がいつものように新聞配達をしていると、彩の家のポストにA4サイズの封筒がガムテープでくっつけてあった。
(おっ!彩ちゃんから?!)
そう思った悠人はニヤニヤが止まらず、口笛を吹きながらその後の新聞配達を急いで終えて自宅に帰るとすぐにその封筒を開けてみた。
中には可愛い封筒に手紙が入っていた。
♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡
―― 落合悠人様へ
こんにちは。
うわぁ、こうしてユート先輩に手紙を書く日が来るなんて……。
考えてみたら私、もう何度もユート先輩に手紙を書いていたんですね。
相手はマシュウおじさんだったけど……笑
今とっても緊張しながらこの手紙を書いています。
まずはお礼から。
バレンタインのお返しの猫のキーホルダーと猫とAのイニシャル入りのハンカチ。
ありがとうございます。
とっても気に入っています。
ユート先輩が選んでくれたと思うとすっごく嬉しいです。
本当だったらマシュウおじさんがプレゼントしてくれた時点でもしかして?って気づくべきですが、マシュウおじさんが新聞配達をやめると聞いて動揺してたので、猫のキーホルダーの事なんで知ってるの?と思いながら単純に喜んでいました。
あっ!
それからユート先輩からの手紙でさらに動揺しました。
ええええええええええええええ――――っ、
うっそ――――――――っ。
と思いながらもう心臓バクバクドキドキでした。
ユート先輩の想いがスーッと伝わってきて、私も自分の気持ちに嘘はつきたくないって思いました。
私、気づいたらユート先輩の事、大好きになっていました。
昨日、待ちきれなくってユート先輩を待ち伏せしてしまったけど、今思うと恥ずかしいです。(∀`*ゞ)テヘッ
そしてマシュウおじさんとして、ユート先輩としていつも私を支えて下さりありがとうございます。
この温かい支えがあったからこそ、私は頑張ってこれました。
ユート先輩。
ドジでおっちょこちょいの私ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。
―― 松本彩より
完
かごのぼっち様から素敵なFA頂きました。
近況ノートにそのイラストがあります。
https://kakuyomu.jp/users/cocopin/news/16818093082263253773
かごのぼっち様に感謝を込めて……♡
このイラストを頂いてラストを追加しました。
バレンタインの奇跡 この美のこ @cocopin
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