怪異は"そういうもの”として受け止めるしかありません

文章が格調高いです。
主人公の語りから始まるのですが、乱歩のそれを思わせます。
友人と共に住んでいる主人公の隣にアベックが越してきます。
しかし夜中になると隣の部屋からおかしな現象が起こります。
それについての謎はいったんは解明されるのですが、最終話はその怪異現象が新たな意味を持ち、読者を困惑させるのです。
ちゃんとホラーしています。
理不尽で不条理です。
僕は読み終わってからもう一度最初から読み始めました。
そうさせる力がこの作品にはあります。