モチモチ太ももギャルと、モチモチおっぱいギャルがボクを挟み込む。

「なーなータカヤぁ。かまってーなー」


 ムチムチの太ももで、ミキ姉がボクの顔を挟み込む。そのまま、ボクを自分の腰の方へと寄せてきた。

 ていうか、どうしてミニスカ制服を来ているんだよ?

 まだ冬休みも一週間あるってのに。

 しかも、ご丁寧にタイツまで履いている。

 

「うるさいなあ、ミキ姉」


 ボクは、ゲームで忙しいんだ。

 冬休みも残り少ない。なんとかゲームを終えて、クラスのみんなにマウントするんだよ。

 

「お年玉あげたやろーがー。かまってよー」


「たった500円で、どないせえと?」


「500円もあったらー。あれやんけ。一緒におデートできるで。ちょっとコンビニのフードコート行ってな、肉まん一緒に食べるねん」


「ええわ。クラスの男子とやれや」


「男子ウザいねんもん。あの年頃のDKがどんだけ自意識過剰か、二時間レクチャーできるわ」


 いらんわ。

 ボクも来年、そのDKになってしまうんだけど……。


「こんにちはー。ミキー、タカヤくんいてるー?」


ミキ姉の友だちのエメさんが、遊びに来た。

 やはり、こちらも制服姿である。学校なんか、ないのに。

 

「います! はいっ! います!」


 ボクはミキ姉の足を払い除けて、台所へ。


「なんなん、あんた? エメが来たらシャキってしてやあ」


「ミキ姉には、関係ないやん」


 ボクは、ミキ姉を無視して、お茶を用意する。


「おおきに。タカヤくんが淹れてくれるコーヒー、めちゃ好きやねん」


 おやつの砂糖醤油モチを口にしながら、エメさんはコーヒーを味わう。

 

「市販のドリップなんで、自慢はできません」


「せやけど、家で淹れるよりおいしいわー。いつもありがとうな」


「もふうう!」


 急に、エメさんがボクを抱きしめてきた。

 エメさんのモチモチがボクの顔を挟み込んだ。


「ちょいまち、エメ。タカヤはウチのんやで?」


 背後から、ミキ姉がボクの胴を蟹挟みしてきた。エメさんから、ボクを引き剥がそうとする。

 

「そんなん、誰が決めたん?」


 よりギューッと、エメさんはボクを抱きしめた。


「ふたりとも、苦しい」


 身体を引っ張られ、ボクは限界に達する。


「だらしないなあ、タカヤは」

 

「ああ、ゴメンゴメン。よいしょっと」


 ミキ姉もエメさんも、ボクに密着してきた。


「やっぱり、この状態が一番自然やね」


「いつもやってるけどな」


 エメさんが、ミキ姉と両手を重ねる。


「うれしいんちゃう? タカヤ」


「そうそう。ウチらが仲良くしてるところ、小さい頃からずっと見てたもんね」


 片方ずつ、耳元でささやいてくる。

 それだけで、昇天しそうになる。


「ちょっち、この体勢はヤバイです」


「なんで? 百合に挟まれて、最高やろ?」


 最高すぎて、死にそう。

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気まぐれ短編集 椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞 @meshitero2

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