イエスと、貴方はあなたを肯定したくなる。これはきっとそんな物語。

ウイズコロナと言われて久しい。
これはコロナとウイズすることができていない、私たちの今の物語。

対岸の火事なんかじゃない。
今の現実。リアル。そう、まるで目の前の舞台で、息づく演劇のようですらあって。

レビュワーはエッセンシャルワーカーと言われる部類に入る。
コロナ感染を目の当たりにし
ライフラインとして医療・介護のサービスの維持に必死になっている現場スタッフの後方支援を行なっている日々だけれど……。

この物語を読んでなお、思うのは。

コロナはソコにある。コロナは共にある。
コロナで子ども達の笑顔が奪われ。心無い言葉で傷つけられ。貧困は目の前にある。

感染した親が悪いのか?
コロナ以上に、悪意が蔓延していないか。
人は閉じこもって悩んでしまう。
でも、関わることで、相談することで
未来が変わるかもしれない。そんなルートはいくらでもある。

本作の彼氏と彼女も
相手を笑わせながら。相手を心配させないようにしながら
必死に耐えてきた。

ウイズコロナって、耐えることじゃないと思う。
認めて。支える。手を差しのべる。幸せを分かち合う。ただ、それだけのことなんじゃないだろうか。

この物語を読んで
心揺さぶられた人達へ。これから心揺さぶられるだろう人達へ。
作者様は主人公、春馬君が起こす奇跡を確約している。

だから、読み進めたら――。
イエスと、貴方はあなたを肯定したくなる。これはきっとそんな物語。

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