力ある者としての責任を重く、しかし軽やかに描いた快作!

最後まで読みました!
完結おめでとうございます!

本作は魔術師という力を持つ存在が各国の軍事力を大きく左右する世界で、立派な魔術師を目指すソニタを中心にした物語です!!

とかく現在のウェブ小説界隈ではチートや異能力など様々な力の描写が切磋琢磨している状況ですが、実際問題としてその強大な力がその世界にとってどういう意味を持つのか、ならば力がない人はどうすればいいのかなど、その力があることによる世界の在り方に正面から取り組み、バランス良く描く作品はあまり目にしません。

力があることで道理を押して無理を通すパターンもあれば、逆になぜ力があるのに行動しないのかと疑問に思うこともしばしば。

しかし本作はこの点を真正面から描ききり、しかも説教臭くなったりもせず、あくまでソニタという少女がひたすらに悩み、考え抜いた結果として辿り着いた力のありように要点を絞って描くことで、学園物やアクション娯楽ととしても楽しめる実にちょうど良い案配の作品になっていると感じました。

この感覚は爽快ですらあり、まともに書けば陰鬱路線まっしぐらになりそうな本作の世界観を、見事に上昇気流に乗せて描ききっています。

本当に最後までハラハラしながら楽しんで読めました。
ありがとうございました!!