将棋は歩から
- ★★ Very Good!!
チェスや大将棋のような棋道において、一度取った駒をまた使えるのは日本の本将棋のみである。それが一局一局を複雑かつ味わいのあるものにしている。
ほとんどの将棋においてはAIが人間を上回ってしまった。本将棋も、辛うじて人間が一矢報いられるかどうかというところか。
それでも、AIを否定するプロ棋士はほとんどいない。
本作の主人公は、積極的に内蔵型AIを否定しているわけではない。しかし、AIに支配されつつある世の中に迎合したいのでもない。まるで、次の一手に悩む若き棋士だ。
一歩ずつ。AI全盛期に、そんな人生があってもいいはずだ。
詳細本作。