第7話 民主に任せれば、国をデフォルトに、米国も日本も。
開票当日、五十音別に名刺と交換に投票用紙を受け、壇上にて投票。昆布候補の政界の親とも言える麻草副総理は、「甘く見たな。出直せ。難しいぞ」と心の中でほれ見た事かと、決選投票相手になる岸大根候補に1票を投じた。
粛々と議員投票が行われ、開票の結果が判明された。
議員票は昆布田郎君・86票。この瞬間、昆布陣営は、終わりの始まりを痛感した。岸大根不三夫君・146票、高菜茶苗君・114票。野沢菜西湖君・34票。党員算定票は、昆布田郎君・169票。岸大根不三夫君・110票、高菜茶苗君・74票。野沢菜西湖君・29票。合計は、昆布田郎君・255票。岸大根不三夫君・256票、高菜茶苗君・188票。野沢菜西湖君・63票。
投票結果は、昆布陣営と張りぼて、底上げ弁当のように盛に盛ったマスゴミの期待する1位通過どころか過半数を大きく下回り、伏魔殿の思惑通り、決選投票へと持ち込まれた。決選投票の結果は火を見るよりも明らかだった。
岸大根不三夫君vs昆布田郎の決選投票の結果、議員票は、昆布田郎君・131票、岸大根不三夫君・249票。都道府県票は、昆布田郎君・39票、岸大根不三夫君・8票となり、合計は、岸大根不三夫君・257票は、昆布田郎君・170票で昆布候補の惨敗だった。
高菜茶苗候補の善戦は、地民党議員の度肝を抜いた。議員票では2位に食い込み、マスゴミや報道が潰しに掛かったにも関わらず、マスゴミの推す昆布候補までを凌駕してしまったからだ。これは、地民党政権が、マスゴミや報道の在り方に「NO!」を衝きつけたのに他ならない結果だった。岸大根政権は、マスゴミと報道関連との対戦構図を浮き彫りにし、喰うか食われるかの戦場に向かうかもしれない。いや、「正義」が「悪」に屈しない強固な対応が出来るよう、完膚なきまでに叩きのめす姿を期待せざるを得ない。それは急務を要することでもあった。
そのためには、鍋にこびり付いた不純物を、素地を傷つけずに丁寧に削ぎ落し、再び不純物がおいそれ付着できなくするルール改正が望まれた。
「新たな試みには、批判は付き物。その批判を恐れていては、改革など夢物語」
であることを肝に銘じて行う必要性があった。
目測と期待を木っ端微塵に打ち砕かれたマスゴミと報道関係者は、その怒りを不甲斐なく散った昆布田郎の派閥の長である麻草副総理にぶつけた。日本に多大な汚点と無駄な膨大な税金を放出させた朝反日新聞の記者が、こんなのは嘘だ、自分たちが信じる民意じゃないといちゃもんを付けてきた。
「昆布氏が負けたことの受け止めは?」
それに対し、麻草副総理は何ひとつ怯むことなく、毅然と言い放った。
「残念な思いをしているだろう。朝反日新聞では勝つことになっていましたからね。あ~やっぱり、朝反日は読んじゃいかんかな、と思った人がいるかどうか知らんけど」
と、ユーモアを込めて皮肉る胸の透くようなGood Jobを披露して見せた。これには、返答次第で追い打ちを掛けようと虎視眈々と牙を磨いていた毎反日新聞の記者は、唖然とし、力を入れすぎ、牙を折ってしまった。
ネットでもこのやり取りは話題となり、多くの若者やハイカラな高齢者の眼を惹き、朝反日新聞と毎反日新聞は読んでは「ダメ」な新聞として、掃き溜めに追い込まれ、そのお蔭も手伝って毎反日新聞は、面白フェイクニュースしか掲載しない夕刊紙である日刊「ヒュンダイ」の部数を下回る好調さを見せた。朝反日新聞の「待っててくれ、すぐに追いつくから」との応援歌も聞こえてきそうな勢いをつけていた。
一方、表向きは昆布候補を応援するとの態度で寄生した石葉と馬鹿げた発言連呼で親の七光り炸裂のお花畑の王子様の小松菜駿豆労(すんずろう)が、「助けて、寂しいよ」と寄り添い合い結成した小石河連合は、地民党議員からは嫌われ者集団と揶揄され、当選回数の少ない新入議員からなる「党風一新の会」からは、地民党の汚物と相席を避けられていた。昆布候補には同意できるが、同伴者が…と遠ざかる嵌めに。それを知った駿豆労は、日頃からの議員の皆さんとの関係構築が大切だと嘯く。そんな暇があれば、他の異なった意見を持つ議員との討論を行うべきだ。鞄は兎も角、選挙の三つの鞄の内、地盤・看板に胡坐をかいて汗をかくことを知らない議員に他の議員が頷くとも思えないが、試してみることはいい経験になるに違いない。そして、鬱病にならないようにご自愛を。
駿豆労はこうも言っていた、地道な活動が大切だと。他の議員からは鼻で笑われていることも気づかずに。太陽光パネルに執着するなら熱海の土石流の現場に出向き、原因と対策を先頭に立って行うのが筋だ。被害が出ているにもかかわらずそれをなかったように無視し、「これはいい」と進めるのは、缶酷のEV高級車がアメリカで問題を起こし、対応も出来ず訴訟や取引停止を喰らっているのに酷似して見える。
相方でもある石葉は、相も変わらず民意が生かされないとつぶやく。石葉の言う民意とは、党員・党友会の票数の事であり、確かにそれだけを見れば、圧勝と言って過言ではない。しかし、これを可笑しいと思えない所に何かを成すべき立場にないことを証明していることに未だに気づけないでいるのは、致命的欠陥だ。圧勝とは聞こえがいいが、異なった意見がない、共産主義の独壇場にあるみたいに。だからこの地方票と言う土壌に未練があるのか。
如何に地方が、毒され間抜けな議員で腐食されているのかが如実に浮き彫りにされた。そこまでしなくては勝てない戦いだと当初から悟っていたのなら、先見の眼があると言うべきであり、アメリカ大統領選のように集計機に頼らず票を積み上げたとしたら、もうこれは、地方には絶対任せてはならない証明をしたようなものだ。さらに付け加えるなら、民意で言うなら、地方議員より多くの獲得票を得ていおり、国政と言う中心部に随時接している国会議員の意見は、民意ではないのか、と問いたい。この図式も、民主主義の欠陥でもある平等の弊害そのもの。貧民国と富豪国が対等に議論できるのは素晴らしい。しかし、与える影響の大きさは天と地、象と蟻であり、そこに眼を付けた中酷は、巨像を倒すため、働かない蟻に砂糖を与え、従わせ、1票として集め台頭する。まさに、党員・党友会の票はそれを物語り、石葉がそこを強調するたびに中酷資本に腐敗された地元経済と議員の存在を顕にしているように感じるのは全く不自然ではない。だから、躍起になって総裁選の在り方や改革を望むのは、眼に見えて明らかだ。自由な発想と選挙権があるならば、同じ党で都道府県票が、39票と8票となり、しかも、勝ったのが8票を得た候補者などと言うのはあまりにも滑稽な三文芝居以下で在り、演出家が居たのなら最悪な思い上がりか、センスのなさを感じる。
「昆布は、鰹を得て美味い出汁になる」
中酷の水質に汚染された昆布は、不味いと評判の腐ったような鰹を得て、だれも注文しない出汁じるになった。まさに小石河連合の店が出す鍋焼きうどんは、シェフに駿豆労を招き、厨房から聞こえてくる怒りの声とは異なり、食欲をそそる匂い経つ湯気は一切鳴りを静め、本来、ポリシーという腰のあるうどんは、不味い出汁を吸い過ぎてふにゃふにゃになり歯ごたえもなく、吐き出すにふさわしい汚物となってしまった。楽しみのはずの具材は、サンプル写真とはことなり、全く違う具材がちんけに並べられ、ブスっとした石葉と言う店員が鉢に親指をどっぷり漬からせて、「ほら喰えよ、産地なんて気にしないんだろ、腹が膨れればいいんだろ」って出されては、注文者が約束が違うと怒って離れて行くのも当然なことだ。
岸大根不三夫総裁は、新政権発足に向けた骨格作りを着々と進めた。腐敗の要因と言われた煮貝幹事長を外し、安倍川餅・麻草・甘党利の3Aの一人、甘党利を重要な幹事長に置き、麻草氏はそのまま副総理に。国会の質問の準備や各種団体からの予算要望の聴取など党が政策として採用する法案の内容を決める「政務調査会」のトップである政調会長に急成長を見せ地民党の顔ともなる高菜茶苗を採用した。
内閣の要となる官房長官に松ぼっくりひろった氏を、党内での根回しができるベテランが総務会長に僅か当選3回とは言え、元・福神総理を祖父とする福神漬太衆院議員を抜擢し、選対委員長に豌豆年秋・元五輪担当相を配した。
各メディア推しの昆布田郎は、衆院選の発信力強化を期待して広報本部長に就かせた。本来なら無役であったはずだが、麻草氏への選挙戦での協力の返礼として体面だけを最低限守って見せた。
敗北した昆布候補は、麻草副総理のもとを訪れた。
「閣下、見ての通りです」
「改革もいいが、年配者の意見にも耳を傾けないとな」
「はい」
「君の処遇は岸大根君に頼んである。負けたらその後、大変だと言ったろ。まぁ、腐らず、頑張れ。それがいまの君にできることだ」
「はい」
昆布田郎は、twitterなどSNSを用いた発進力に定評があり、近く行われる衆議院の解散総選挙に向けた党の広報活動の中心を担うことになる広報本部長となった。過去、広報本部長になった者が総裁選に出馬できた者はいない。まさに座敷牢だ。当然ながら、石葉は地下牢に優遇、小松菜駿豆労も元小松菜総理の威光は今はなく、地下室でひっそり太陽パネル設置の弊害を調べさせられるのかは定かではない。
兎も角、総裁選の選挙の在り方を検討すべき時期に来ているのは間違いない。良かったのは武漢ウイルスで本来なら全国行脚が中止となり、オンラインでの討論会が採用されたことだ。今後もこの討論会を最低でも四回行い、そして、ことだその後、投票を受け付ける。
今回のように消費税0にしますと票を集め、開票直前に撤廃し、20%にしますの戦略を封じ込めなければならない。
過去を振り返る。
地民党が野党に転落していた2012年の総裁選。第一回投票では、石葉が地方票である党員・党友会の票を300票の内165票を獲得し議員票を合わせて199票を得て、2位の安倍川餅の141票を上回っていた。この年はまだ、決選投票は国会議員のみで行われていた。その結果、安倍川餅108票、石葉89票で順位がひっくり返った。負けた石葉は幹事長に付き、決選投票でも各都道府県に1票を割り当てるように総裁選規定を改定した。
ここで注目すべきは、地方が中酷・反日資本などの利権や考えに侵食されているのが数値的に分かる事だ。石葉、いや中酷や日本を衰退させたい勢力が掌握しやすい地方票で国会議員の票を脅かすし、弱体化させようと推進した党員・党友会の票。
2012年、石葉が獲得した党員・党友会で獲得した票が165票。今回、昆布候補が獲得した党員・党友会の票は、169票。この酷似した数値が何を意味するのか。2012年当時も決選投票に都道府県票が採用されていれば、石葉が89票に昆布候補が得た39票が加算され、128票となり、安倍川餅の108票+8票で116票を上回り、石葉総裁が誕生していたかもしれない。
学級員会とと国会を同じ土俵で扱う軽率な行為は、慎重の上に慎重に重ね検討し、地方票の実態を明らかにし、浄化しなければ地方議員の意見を国政に活かすのは、昆布候補一家を侵食した中酷資本の二の舞になるのは票数から見ても明らかだ。
潤沢な資本とじっくり敵対する国に浸透して支配すれば、武器などを用いず植民地・属国下できる時代だ。現に地方は、それに酷似した状態にあるのも否めない。その一つが国土の買収で在り、企業の乗っ取りだ。お花畑に忍び込んだ不純な国イナゴを見逃せば、いずれは大麻草の畑になり、その地方、国を堕落させるものであり、注視しなければならない。
それを防ぐためにも、地方票に厳重な要件を付加すべきだ。地方議員や党友会の票も、GDPの地方版を採用し、四段階ほどに分類し、その成長度・達成率で0.25・0.5・0.75・1票のように差別化し、地方の活性化に議員が真剣に取り込まなければならない仕組みを採用することも検討しなければならない。その際は、外国資本の安易な受け入れを防止すること、その資本関連を除外することを注意深く監視し、違反が疑われれば、確定でなくても厳しく罰することも必要だ。
「言論の自由」「報道の自由」という悪い意味で天下の宝刀と化した文言の「正義」「正当」「正確」などの「正」の規定・使用ルールーを設け、マスゴミや報道による偽りによる誘導を阻止しなくてはならない。調査・アンケートは、必要であれば政府が行う事にし、一般メディアでは当面禁止にすべきだ。さらに、結果として無料で視聴できるキー局と呼ばれる電波媒体は対象にすべきであり、持論を述べたければ、読者が身銭を切る週刊誌や新聞で行う制限は必要だと強く感じられた。違反すれば、電波オークションの対象とするか、報道の禁止を与えなければ、国民を本当の意味で守る事にはならないことを知らしめた「お総裁(そうざい)選挙」でもあった。
最後に、福神漬け達夫が率いる「党風一新の会」は、所属議員が多く、派閥化すれば台風の目になるのは明らかだった。新人もいずれは中堅になる。鉄は熱いうちに打て。福神漬達夫を重鎮たちの監視の目の光る総務会長に抜擢したのは、将来への布石のような物だろう。
お総裁(そうざい)選挙 龍玄 @amuro117ryugen
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