縁起のいいだけの道じゃなくても、良かったんだ。

 主人公は受験に失敗した。姉は家に出戻り。母も父もそれぞれの道で生きている。そんな家族が団欒のひと時を過ごすのが、大晦日だった。しかし、主人公の家では「年越し蕎麦」ではなく、「年越しうどん」だった。
 「年越し蕎麦は縁起物だからちゃんとしないと、縁起が悪い」と主張する主人公は、ある人の地雷を踏んでいた。
 人それぞれに、心に地雷があって、道がある。
 
 年越しに読みたくなる一作でした。

 是非、御一読下さい。