圧倒的なディスコミュニケーションが生み出す、三者三様の『結末』。

よくある悪役令嬢的な始まり方かな?と思って読み始めたら、その筆力にどんどん惹きこまれ、ラストが待ちきれなくなっていた作品です。
とある侯爵夫人、その夫、そして『あの方』。三者三様の視点から描き出されるものは、豪華絢爛たる貴族社会の、恐るべき闇。
華やかに着飾った彼女の、ドレスの下に隠されたものとは。
「氷の貴公子」と呼ばれた彼の、想いを寄せる相手とは。
すれ違いにすれ違いを重ねた心とその行動はやがて――?
ただ一人の視点からでは容易に真相が見えない構成になっているのが見事です。

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