いつの時代も貴方を忘れない
@purearoma1116
第一話 前世の記憶?
『 約 束 だ 』
~ 。*
「 ん 、また同じ夢… 」
私は毎日同じ夢を見る、夢の内容は唯誰かに ‘‘ 約束だ ‘‘ と言われるだけ
その誰かは顔に靄(もや)がかかっている様にぼやけて見えない。でも何処かで見たことのある姿だった
「 — き!…ゅき!雪!! 」
「 …!!な、何事!? 」
此処は教室、主人公の雪(ゆき)はいつも通り机に突っ伏したまま寝ていた。
「 何事っ!?じゃ無いわよ!!また寝てたの? 」
雪の前で仁王立ちしているのは、雪の親友の琴葉(ことは)。琴葉は呆れた様に深い溜息をつく。
「 なんだ琴葉か…どうしたの? 」
「 本当雪は吞気ね、次体育だから起こしに来たの 」
雪は琴葉の言葉にはっとして時間割を見た。確かに次の時間は体育と書いてある、雪は小さく小言を言いながら仕方なく席を立った。
「 ってか、まだあの夢は見るの? 」
琴葉は体育着に着替え雪が着替え終わるのを待っていたが、ふと思い出した様に口を開く。
「 夢~?あぁ…見るよ 」
「 誰かわかったの?その人、見た事あるんでしょ? 」
雪は琴葉に例の夢の話をした事がある。その話をしてからというもの琴葉はいつも夢の話ばかりしてくるのだ。
「 否、全然…なんか靄がかかった様に顔が見えないんだよね~ 」
「 へぇ… 」
と、長々話しているといつの間にかチャイムが鳴っていた様で、教室にはだれも残っていなかった
「 はぁ、疲れた… 」
「 お疲れ様~、今日の体育もハードだったね 」
無事体育も終わり雪と琴葉は食堂に向かっていた。
雪達の学校の食堂は少し複雑で、地下にある。雪達の教室からは、渡り廊下を渡ってその階専用のエレベーターに乗らなければならない為、いつもエレベーター付近は人で賑わっている
「 うわぁ…今日も混んでんね 」
流石の琴葉も苦笑いだ
「 あはは…じゃあいつも通り第二食堂行く? 」
第二食堂と言うのは、雪達の教室の階にあり、主に女将さん達がつくっている所だ。第二食堂は食堂より人気が無く、雪と琴葉の穴場スポット。
「 良いね、第二食堂行こ~ 」
「 うん 」
第二食堂に着くと女将さんが笑顔で向かい入れてくれた。
「 いらっしゃいませ、今日は何に致しやすか? 」
「 あ、私は牛丼小盛を 」
「 おにぎり三つで~ 」
雪と琴葉はメニュー表を見ながら、雪は牛丼小盛を琴葉はおにぎり三つを頼んだ
「 500円でござんす。あ…それとこれを 」
女将さんはお勘定をしながら、飴玉を一つずつ渡してきた 」
「 え、良いんですか?!有難う御座います!! 」
「 いえいえ、ほれ雪どんも 」
雪は申し訳なさでいっぱいだったが渋々貰う事にした。
「 あ、有難う御座いま…?! 」
女将さんから飴玉を受け取ろうとすると、突然鼓動が激しく鳴った。そして目の奥に何かが見えた気がした。
『 飴でさ、口に合いやしたかい? 』
『 うん、美味しい!! 』
~ 。*
目の奥に映ったのは、夢に出てきた人ともう一人、女性だった。歳は18歳くらいで可愛らしい顔つき、そして夢に出てきた人からあめをもらっていた。
「 … 」
「 雪どん?どうかしやしたか? 」
女将さんの声にはっとすると、同時にもう目の奥には何も見えなくなっていた。
「 いえ… 」
「 …何か見えたの? 」
様子を見ていた琴葉がこそっと耳打ちをしてくる。
「 うん…夢に出てきた人と…女の人、多分18くらいの人 」
雪と琴葉は第二食堂から少し離れたベンチで休憩しながらさっき起きたことを話す。
「 …ねぇ雪、それって雪の前世じゃない? 」
「 前世…? 」
いつの時代も貴方を忘れない @purearoma1116
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。いつの時代も貴方を忘れないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます