王女としてなに不自由なく育ってきた麻莉。いずれ国や王家にとって有益な相手と結婚することも、王女としての務めということで受け入れていました。
しかしそんな彼女の運命は、街で一人の楽師、リュウセイを見かけたことで、一気に変わりはじめます。
本当の恋など無縁と思っていた麻莉ですが、一目見た時から、心の中にはリュウセイが居座り続けます。されど二人は王女と楽師。身分の差が、二人の想いを引き裂くのか。
──というお話ではあるのですが、事態はそれだけでは終わりません。今まで書いたストーリーは、物語全体で見ればほんの一部。これから麻莉は、誰も予想だにしない数奇な運命に巻き込まれていくのです。
なにも知らない王女は、成長の果てに何を手にするのでしょう。
王宮で育ちのお姫様、麻莉。
一国の姫たる者、自由な結婚も恋愛も許されない。国のために政略結婚をしなければならない運命を、麻莉は受け入れていたのですが。
町で出会った、放浪楽士のリュウセイ。
不思議な魅力を持つ彼に麻莉は惹かれていきますが、二人は身分の違います。所詮これは、叶わぬ恋なのでしょうか?
しかし物語は意外な方向に。麻莉のある秘密が明らかになった時、リュウセイとの関係が変わってきます。
身分違いの恋の話と思いきや、それだけで終わらないのが本作のすごい所。
恋や運命に翻弄されながらも、自分の進む道を探していく麻莉姫の成長を、見守っていきましょう。
どこからどう見ても美しい姫。
それが主人公の麻莉。
籠の中の鳥のように育てられた麻莉は姫としては完璧で、この世界に生きる者としては知らない事が多すぎました。
しかし、彼女の人生はある放浪楽士の男・リュウセイとの出逢いから変わっていきます。
リュウセイは麻莉にたくさんのものを与えてくれる人。
リュウセイに全てを任せれば、幸せな人生を歩めます。
けれど、麻莉はそれをよしとせず、自ら試練へと立ち向かっていきます。
幼い少女が気高い女性へ開花していく過程がとても読み応えがあり、想う相手への葛藤や切なさに胸を締め付けられます。
そして2人が惹かれ合う理由も、とても素敵です。
苦難を乗り越えた先に待っているものは、あなたの想像以上の幸せな未来だと思います。
だからこそ、その素晴らしい光景を是非とも目にしてほしいです。
光に包まれるような余韻を、どうぞ堪能して下さい。
以前、作者【雨杜和】様は、奴隷に恋した姫君の話を異世界ストーリーとして書かれました。この作品は、その作品を中華風にリメイクし、さらに大幅にストーリーを変えて来る、という事です。
主人公マーリは姫君。その姫君が、身を焦がすような強烈な恋をします。
私は、このお話の前身の作品がもの凄く好きでした。もう、ドはまりしまして、いつもそのお話の事を考えてしまっている、それくらい好きでした。
強烈で激しい恋心、それに翻弄されていく姫、その道は決して穏やかなものではない。
しかし、全てを捨ててでも一緒に居たいと恋焦がれる人が居るという事がどんなに幸せな事か。
今回は中盤から前作とはストーリーが大分変って来るそうです。どう変わってくるのか、とても楽しみです。
前身の作品を読んでいなくても、新たな作品として一から楽しめる作品ですので、是非とも皆様にもオススメしたいです。
激しい愛の物語に、身を委ねてみませんか?