第5話 ラスサビ
その日。そこは山とすら言えないほどに平らになった。
突然。そう、突然にだ。
その時数十のプレイヤーが死に、一個の都市の外壁が吹き飛んだ。
ブラックホール。
そんな装置を開発していた運営が使用したに違いないと上位プレイヤーのほとんどが思った。
初心者はなにが起きたのかわからず、ただ困惑する。
しかし、次の瞬間。信じられない事が起きた。
突然、世界が夜間に切り替わったのだ。
暗くなったのを察知して街灯が点き始める。
突然の事で全員は困惑するが、それに追い討ちを掛けるように一人のプレイヤーが叫んだ。
「なんでログアウトできないんだよ!?」
それは瞬く間に掲示板に書き込まれ、全員が強制ログアウトを試すも失敗。
そして、デスゲームとゆう単語が掲示板に浮かび上がる。
その間にも二度、大爆発が起きて人は死んでいる。
すぐに全員が団結して避難を開始した。
場所はとある洞窟の奥にある研究所。
そこは非戦闘区域とゆう珍しい場所だった。
そこに全員が詰め寄る。
当然事故や渋滞も起きたが、たったの30分で避難が完了した。
そして、4回目の大爆発がそこを直撃した。
★☆★☆
初めのブラックホールは想定していたが、ほぼ同時の空中砲撃にはビックリした。
しかも左腕がやられた。
注射器を刺す余裕すらない。
展開したジェットパックですぐに体勢を整える。
左腕を足で銃との間に挟み、スコープで狙う。
中央には砲手。
今さっきの空中砲撃の元凶だ。
トリガーを迷いもなく引いた。
そして、大爆発を起こした。
とはいっても空中砲撃の何十分の一ってぐらいだが……
しかし、これにより空中砲撃は中断せざるを得ない……はずだった。
「なにッ!?」
空中砲撃を察知して回避行動をする。
連中、躊躇いも無く撃ちやがった。
それでは無駄に消耗するだけだ。
ジェットパックのエンジンがもっとうるさくなり、高度がぐんと上がる。
雲を抜けた。
そのまま弾道を描くように少しずつ平行へとなり、そして落ち始めた。
速度の終わりが見えない。
雲を突き抜け、紅く発光しているランプを気にせず加速し、熱を帯びる。
まとわりつく赤い空気はそのまま地面へと激突し、衝撃波が地面を支配した。
そして、抉れた地面の中央には爆弾があった。
しかし、爆発しない。
「不良品か!?」
不良品。
つまり不発弾だ。
ルシファーは白い翼を広げて雲に隠れていた。
そこへ戦闘機が音速を超えて近づいてきた。
音速を超えて近づく機影に気がついたが、もう遅い。
ルシファーは驚愕に顔を染め、地面へと粉々に砕けた白い翼と共に堕ちていった。
現実は非常である。
何かがおかしい現実によって一命をとりとめたルシファーは近づいてくる足音を聞いて走りだす。
足音が速くなった。
ただ息を切らし、走る。
それ以上の事をしていたのに今はそれが怖い。
森に入ったルシファーへ銃弾の雨が降り注ぐ。
KN-B60とゆうパワーアーマーに搭載されているバルカン砲から発射される12.7×56mmの弾幕だ。当たったらミンチになるだろう。
ヴァラララララララ!!
3機から放たれる弾幕を身を低くして避ける。
その状態のまま斜面を滑り降り、川を越える。
そして木を薙ぎ倒しながら来たKN-B60から放たれた銃弾がルシファーの頭に今、当たろうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます