第4話 最終曲 序章

 そう、その日。俺は罠だと知って行った。

 いつものようにSC253-Xをドラッグバッグに入れ、いつもとはは違った道を歩む。

 今日はフル装備だ。

 髪の光学迷彩機器とはまた別の光学迷彩機器を使用し、順調に道を進んでいた。

 ギリギリ

 目に見えないギリギリのラインまで、私は進まなければならない。

 全ては祖国の為であり、誰も騙さず。ただ目の前から勝負を仕掛ける。

 そんな事しか出来なかった自分だが。こういった任務は元から得意だ。


 1VS1


 騎士道のように高貴で。そして、賊のように卑怯に。

 山にある渓谷の奥に座り、光学迷彩を解く。

 そして、SC253-Xをドラッグバッグに載せ。足も載せる。

 これが一番楽な体勢だ。

 さあ、これが最後だ。

 新たな世界はこの世には存在してはいけない。

 お前等のラグナロクではなく。そこは我々のヴァルハラなのだ。

 ……いや、最後くらい。自分に従うのも良いか。

 新たな世界など無い。

 我々に与えられたのは、この広大な宇宙なのだ。

 そんな夢を見るよりは死んだほうが良い。

 この手で代わりに殺してやろう。

 せめてもの償いにな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る