母と恋バナしてたら、俺が母に孫の顔見せられない理由を話す事になってしまった

作者 北島 悠

150

54人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

カミングアウトは、前もって周到に準備してからすることもあれば、ふとしたきっかけや日常の中でポロッとしたくなる時もある。
このお話は後者で、歳を重ねた親子のある日の何気ない昼食時が舞台です。
長い時間を経て築かれた信頼関係は前提としつつも、この日、母親が過去の話をして、受容的な一面を見せたからそこ主人公もお話ができたのかなと思います。
話し終わったあとも、また何気ない日常に戻っていく姿に変わらない絆を感じました。

★★ Very Good!!

男も女も、現在の医療の限界として女の体でしか生まれることができない。痛みを伴うのは昔から女性であり、育児と密に接せざる負えないのも女性である。LGBTQ……も少しだけ連想する作品でした。

血のつながる女性と繋がらずも愛する女性。その間にいる主人公の男性。
この作品の良さは現在の不安定な社会秩序と世論の中で交わされる親子の温かな会話にあると思います。包容力のある母と母を信頼する主人公の息子。だからこそ打つ明けることの出来るちょっとNGな恋バナ。

多様化を求められる社会で母と子という切っても切れない関係。その男女の垣根を越えて紡がれるストーリーは必見です。これを読んで感じたことは、母にとっての息子とは男性ではなく可愛い息子なんだな。そして、息子にとっての母は、女性ではあるけれど、あとはなんか分からないホンワカなもの纏った……う~ん、尊い存在。

皆さんもお手にとって、このなんだかわからない温かさを味わって見てください。

★★★ Excellent!!!

うどんとそば、どちらを選ぶか。そんないつもの会話から始まったお昼。
テレビの話題をきっかけに、息子と母は互いの恋愛遍歴を話すことになって……。

この作品のお母さん、とても素敵な人だと思います。どんな息子であったって、それは「あなた」だからと受け入れる。心の広い……懐の深い人なのかなと。

息子がカミングアウトする、母に孫を見せられない理由は?
それは、この作品を読んで確かめて下さい。

★★★ Excellent!!!

で、母ちゃん。

「智也。そばもいいけど、たまにはうどんも食べないと栄養が偏るから今日は赤いきつねにしよう」

駄目ダメ!
もう八十なんだから、あんな体に悪いもん食っちゃ駄目よ。幾ら、企画物の空想小説だとしても。いくら息子だろうと、あんなモン食わそうとしたら、そん時はハッキリと、『ノー』って言って。

もし言い辛かったら、遠慮なく俺に連絡して。
四分もあったら、そこに行けるから。母ちゃんの代わりに俺が食ってやるよ。