第七話
すると
「どう、
「面白いも何も、この小説には間違いがあるぞ!」
「え? 何が?」
「まず、
史織は、笑顔で
「あら、そうなの。クイズの問題を考えるために出版社が用意したんだったら、てっきりビジネスホテルだと思ったわ。てへぺろ」
鹿島は、キレた。
「てへぺろじゃねー! 日高は出版社に
「あら、そうだったのー」
鹿島は、更にツッコんだ。
「それに何が天使の笑顔だ?! お前の笑顔は、悪魔の微笑みだ! それに、べっぴんさんだ、
「えー、ちょっと、それってひどくなーい? 私は今も可愛いと思っているわよ、ぷう」
「ぷう、じゃねえー! だいたい何で徳川埋蔵金を守っている謎が、
すると史織は、あっさりと答えた。
「いやー、その方が
「だから、てへぺろじゃねー! はあ、もういい。何か疲れた……」
そんな鹿島に史織は、ケ〇ズデンキのチラシを見せた。
「あ、そうそう、食器洗い乾燥機っていえば……、ねえ、
「何だよ?」
「今、ケ〇ズデンキで特売をしているの! いつもより安いのよ!」
「何が食器洗い乾燥機だ! 食器なんか手で洗えば良いだろ?!」
すると史織は、人差し指を振った。
「ちっちっちっ、分かっていないなあ、直君は。食器洗いは家事の中で、最も大変な仕事って言われているのよ。それに今じゃあ、手で洗うよりもキレイに洗えるから、レストランでも使われているのよ!」
「へえー、そうなんだ……」
「それにほら、掃除機っていえばチラシをよく見て! 〇イソンの掃除機も安いのよ!」
「へえー、〇イソンの掃除機か……。それって良いのか?」
史織は目を輝かせて、
「〇イソンの掃除機は、サイクロンの
「へえー……」
「だからさ、この
鹿島は、取りあえず
「でもなあ、特売っていっても、やっぱり高いんじゃねえのか?」
「何、言ってんのよ、
「臨時収入?」
「日高さんの仕事の手伝いをして、百万円をもらえるんでしょう?」
「え? 何でお前、そのことを知ってんの?」
史織は、笑顔で答えた。
「だって
「あー、そっかー、聞かれてたかー……」
「ね、だからこの際、買っちゃおうよ! 安いし便利だし、お金はあるし。買った方が絶対に良いよ!」
鹿島は、
「うーん、そうか……。安くて便利か……。よし、分かった! 買おう!」
史織は思わず、鹿島に
「わーい! ありがとう、直君!」
●
ケ〇ズデンキからの帰り道。史織は、悪魔のように微笑んだ。くっ、くっ、くっ。全ては計画通り……。この計画は今朝、ケ〇ズデンキのチラシを見た時に考えたの。それに日高さんの仕事を手伝って、百万円の臨時収入があるって知って、実行に移したの。
普通に直君に、家電を買ってって言っても渋るのは分かっていたから小説に、目立つように書いたの。良い話をする、きっかけを作ったの。ケ〇ズデンキで、〇ナソニックの食器洗い乾燥機と〇イソンの掃除機を買うために。
くっ、くっ、くっ。全ては計画通り……。
完結
【改良版】発想者が、徳川埋蔵金を見つける話 久坂裕介 @cbrate
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます