第2章 ウィリ❤メアリーの事情

21,ウィリアム・L・リンドバーグ

 今日は、B-4CAMP区域のメンバーを全員制覇したということで、パーティーが

始まることになっていた。つまりは、このキャンプ期待の星であり、有能な人材で

とんでもなく強いものである俺様を盛大に歓迎するというパーティーである。

今日の夜から始まるらしい。ちなみに、B-4CAMP地域というのは何かというと。

怪物たちが集うキャンプは大きくA,B,C,Dの区域に分かれ、その中でさらに区域が

4つに分けてある。その中で、オリバーやミッシェルじっちゃん、アレキサンダー

たちのこれまでに俺があったものがそうだ。ただ、ボボボ君とオリビア、そして

ドラキュラ伯爵はまた別の人物だ。大きな転機が一つ、俺が名前をもらった

ことだ。自分の名前は覚えていないのだ。そこで、B区域の長老、ミッシェル

じっちゃんとリーダー的存在のオリバーに決めてもらった。


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「お前、そう言えば名前は何というのじゃ?」

「そうだ。出会って1日たっても聞いてなかったね。僕も教えてほしいよぉ」

「ここでは、名前は大切だからな」

「名前———」

そう、俺は永眠カプセルに入ったころからほぼほぼ記憶がすっ飛んでる。

母さんのことも、父さんのことも全く覚えていないのだ。覚えているのは、家族

よりもインパクトがある友たちだ。廿利、結愛、竜臥、巽——そして、最近1人

思い出した者がいる。学校でのグループは俺、竜臥、巽の男子3人。と、廿利、

結愛、そしてもう1人誰かがいるはずだった。それで、男女3人ずつになるからだ。

それが、確か包子かなこだ。そのように、学友の名前は憶えていても、家族、

そして自分の名前は憶えていなかった。知らないに近いかも知れない。

「分からない。俺はそんな記憶なんかねぇんだ」

「そうなんだ。それはかわいそうだね」

その時、ニコラスに肩をポンポンしてもらったのを覚えている。名前を付けて

もらった時は、オリバー、ミッシェルじっちゃん、ニコラス、アレキサンダーしか

知らなかったことだった。

「それじゃあ、こいつの名前、俺らで考えてやろうぜ!!」

「誰に考えてもらうんじゃ?」

そうだ、それが問題だ。どうやって考えるかが問題になる。

「そうだ、あいつを呼んでくるぜ」


 呼んできたのはPCペーパーだった。PCペーパーで俺に合う名前を色々調べ、

考えた結果——その日から俺の名前は「ウィリアム・L・リンドバーグ」となった。

名前メーカーなどで作ったり、俺の性格に合う言葉を調べた結果がこれだ。

ちなみに、みんなここではなぜか名前が英語名なので、英語を考えたらしい。

ファーストネームのウィリアムは「意志」、ミドルネームの「Ⅼ」これは、ルーカス

の略。ルーカスは「光をもたらすもの」、リンドバーグの「リンド」はキレイさ、

「バーグ」は水晶を意味するらしい。つまり、意志が強く、心がキレイで、将来

光をもたらす者ということだ。期待の新星と言った俺は間違っていなかっただろう。

「俺の名前、すごい良いじゃないか!!みんな、ありがとうよ!!」

「いいんだいいんだ。名前がないと面倒だからな」

照れくささを隠すように、アレキサンダーが言った。

「それじゃあ、ウィリアムだから、あだ名はウィリだね」

「ウィリか。良い響きじゃないか。わしはお前を気に入ったぞ」

おいおい、じっちゃん。名前で人を気に入るなんておかしいだろう。

「よし!!これから俺はウィリアム・L・リンドバーグだぁっ!!!!」

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 そう、その瞬間に俺はウィリになった。ウィリになって約1週間だ。その間に

様々な事件が起こった。鬼みたいなやつや、コウモリっぽいやつ、炎の男と車を

つくったりもした。そして、オリバーとオリビアの恋愛関係も。

この1週間を閉め、次の1週間を開く区切りがこのパーティーだ。もうすぐだ。

あと2時間半ほどで正式にここの一員になれる。

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人類滅亡後、地球を支配していたのは都市伝説の怪物だった~人と怪物の共同生活スタート! DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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