第5話 今までの人生で最悪の……
あの後、火星連邦軍とオリンポス警察隊が駆けつけて来た。盗難されたプルトニウムは発見され、現場にいた実行犯は逮捕された。
私はというと、戦車砲を使用し
私は今、連邦首都オリンポスにある超高級ホテルの最上階、展望レストラン
「うふふ。翠ちゃん、今日は特別なサプライズなのよ」
「あ、来ましたよ」
私は入り口を見つめる。入ってきたのは背の低い紅葉ではなく、長身のトリニティ市長だった。
まさか、あの市長とのお見合いなのか?
もしそうなら、この上司の事を今まで散々くそババアと罵倒してきたことは謝罪したい。
「お待たせ。今日は沢山用意してきたよ」
用意?
何の事だ?
トリニティ市長はテーブルの上にファイルの山をどさりと置いた。
「翠ちゃんにはね。絶対に良い相手を見繕ってあげるから。僕の情報網は火星一なんだよ」
その一言で眩暈がした。私は席を立ち、トリニティに一発ビンタを浴びせてからレストランを出た。
良い夢を見させてもらった。あははは。
私の笑い声は火星の赤い砂塵と共に消えていく。そして私は、
怪盗レッドフォックス—プルトニウム捜索編— 暗黒星雲 @darknebula
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