平安末期から鎌倉にかけて「近衞 基通」を軸に繰り広げられる「恋」をめぐる3部作、こちらは、その締めを飾る物語です。
基通は、鎌倉初期に摂政、関白などを務めた公卿です。養母は平清盛の娘盛子。
本作では、その盛子への想いが語られます。
作者の筆致が冴える鮮やかな情景と、基通の心を焦がし続ける恋が切なくて胸を打ちます。
「うた恋い。」などお好きな方には、特に刺さるのではないでしょうか。
また、前の二作を読むと、しっとりとした世界をより深く味わう事ができますので、併せ読みをお勧めいたします。
源平物としても、いつもと違った視点から楽しめる素敵な作品です。
是非読んでみてください。