幸せしみる薄味うどん

お題である赤いきつね、標語に掲げられた幸せしみるショートショート。
そのテーマをさりげなくも上手に取り入れた秀作です。
平易で読みやすい文章も、教科書に載っていても違和感ないほどスラスラと目を通せました。
カクヨムは長編より短編書きのほうが筆の立つ方多くお見受けするのは気のせいだろうか…(と長編書きが申しております)。
濃い味のカップ麺の対比として薄味のうどんが導入され、和解の象徴なのか、最後の展開は「ああ、そう来るのか」と声が出てしまいました。
泣かせる展開ではないものの、ゆえにお袋の味ならぬお婆の味の奥ゆかしさもしんみりと感じられました。

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