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- ★★★ Excellent!!!山の中、暗闇――そのとき、女の声がした
主人公は、登山中、滑落してしまい、生死の境をさまよう。そんなとき、「女」の声がして――。
もはやこの地球に秘境などない。いまや、この地球のほぼすべての場所は、地図の上にその名を刻まれている。光が、科学技術の進歩や文明の発達という強烈な光が、今や我々の住む世界を包み込んでいる。闇は失せた。そんな時代だ。
だからこそ、この小説の内包する「得体のしれないぞっとする感覚」を現代人のみなさんに味わっていただきたい。
この物語を読み終えて、ぞっとする感覚にふるえたぼくの脳裏にあることばが浮かんできた。
なぜだろうか、ニーチェの「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という有…続きを読む