俺はエレナに頭を滅茶苦茶にされちまった

 どんな理由があれいたいけな子供を犯す大人はカスです、と誰かが言ったとしましょう。はい、この言に異を唱えるヤツはいないと思います。

 この作品にはそういうカスが出てきます。名前はエレナ・ヴァイス。信じ難いかもしれませんが、この作品はそういうカスがメインヒロインです。悪い冗談であってほしい。

 物理本で既におロストを全巻持っているので、ここに掲載されてない分までキッチリとエレナの活躍を見ていますが、徹頭徹尾カスなのはブレません。特に改心したりしないですし。

 でも何故でしょう。読んでしばらくはこういうカスのことしか考えられなくなりました。自分のツイッターのログでは一言にエレナ、二言にエレナ、三言目にやっとイングリットとフレーゲルです。

 恐ろしい体験でした。このカスを心底嫌悪しているはずなのに、頭はこのカスのことでいっぱいなのです。いつの間に私の頭はエレナに浸食されてしまったのでしょうか。もう詳しい時期すらわかりません。

『これは明確に毒である』と明記されている甘い水飴でも舐めている気分とでも言いましょうか。いつの間にかエレナを相当分摂取してしまっていました。

 何か心のどうしようもない部分が取り返しの付かないことになっている気がします。それほどまでにエレナの個性は強烈でした。

 今、私が望むことは一つです。道連れが欲しいので、みんな是非とも私と一緒に手遅れになってほしい。

 かなり綿密な東ドイツ考証、殺伐百合要素、サブキャラたちのクソデカ感情と一緒にエレナ・ヴァイスを頭にブチ込んで頭を滅茶苦茶にしてしまいましょう。お前も家族だ。

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