狸少年と美女狐のほんわか触れ合い

ある日、少年は森の洋館で、美しい女性と出会う。
実は少年は狸で、女性は九尾の狐。ふたりの鬼と住んでいる。
そもそも狸一族には、狐コンプレックスがあるのだ。
だから、少年も、狐が大嫌い、というけれど・・・、でも、好きになる。
ところが、叔父さん狸がやってきて、大暴れして、見せなくてもいい狸のみっともないところを見せてしまう。
でも、狐姉さんは少年に言う、
「(狸は)ユーモラスで、親しみがあって、どこか愛嬌があって。……狐の私にはないものを持っています」と。

狸には狐に対するコンプレックスがあるという発想、どっからきました?拍手です。
途中で、「インスタント食品」がでてきて、えっと思ったら、
「赤いきつねですか。緑のたぬきですか」には、大笑い。
ストーリーがおもしろいし、少年の純粋さ、お姉さんの優しい包容力がよく描かれてますし、また狸叔父さんの荒唐さには、ああいう人、よくいるのよねぇと思って楽しく読ませていただきました。
次作も、期待しています。

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