主人公の姫子は、とあるおとぎ話を聞くと、何故か悲しい気持ちになってしまいます。
そんな主人公の姫子は、ある日。蛇のような目をした見た目の恐い男の子に助けられます。その縁で、男の子と話をするようになるのですが、どうやら彼は周りから避けられているみたい。
男の子の現状に心を痛める中、主人公はある夢を見るのですが……
現代を舞台にした転生要素のある恋愛物語です☆
男の子が少し辛い状況にあるのですが、それを見事に覆すハッピーエンドで読後感の良い作風に仕上げてらっしゃいます。
おとぎ話の裏に隠された真実にも唸りました!
どうでしょう、そう思った方もいるのではないでしょうか。
恥ずかしながら、私もその一人。
これまで生きてきて、『○○の恩返し』と言ったら、やはり鶴かなと。それ以外の『○○の恩返し』はどれも『鶴の恩返し』のパロディみたいなお話だったものですから、もしかしたらこのお話も、そういう『鶴の恩返し 蟹バージョン』なのかな、って思っておりました。
が、蓋を開けてみれば――、
まずそもそも、ちゃんと存在してました『蟹の恩返し』!恥ずかしい!
内容については本編で確認出来るのですが、まぁその名の通り、蟹が恩返しをして、恐ろしい蛇から守ってくれる――というものなんですけど、こういった昔話って、どうしても人間側に都合よく作られている部分があるわけですよ。その蛇って本当に悪い蛇だったのかしら、と。
さて、本編に登場するのはタイトルにもある通り、蛇の目をした男の子。『蟹の恩返し』を知った後なら、もしやこの彼……?と思うわけですが、おやおや、何だかイメージと違うぞ、と。
途中、ちょっと悲しいお話がありますけれども最後はもちろんハッピーエンド。ヒロインちゃんとのやりとりがほっこり可愛くて堪りません!
二万字以下の短編なので一気読みもおすすめです!