蟹の恩返し? えっ?鶴じゃなくて?

どうでしょう、そう思った方もいるのではないでしょうか。
恥ずかしながら、私もその一人。

これまで生きてきて、『○○の恩返し』と言ったら、やはり鶴かなと。それ以外の『○○の恩返し』はどれも『鶴の恩返し』のパロディみたいなお話だったものですから、もしかしたらこのお話も、そういう『鶴の恩返し 蟹バージョン』なのかな、って思っておりました。

が、蓋を開けてみれば――、

まずそもそも、ちゃんと存在してました『蟹の恩返し』!恥ずかしい!
内容については本編で確認出来るのですが、まぁその名の通り、蟹が恩返しをして、恐ろしい蛇から守ってくれる――というものなんですけど、こういった昔話って、どうしても人間側に都合よく作られている部分があるわけですよ。その蛇って本当に悪い蛇だったのかしら、と。

さて、本編に登場するのはタイトルにもある通り、蛇の目をした男の子。『蟹の恩返し』を知った後なら、もしやこの彼……?と思うわけですが、おやおや、何だかイメージと違うぞ、と。

途中、ちょっと悲しいお話がありますけれども最後はもちろんハッピーエンド。ヒロインちゃんとのやりとりがほっこり可愛くて堪りません!

二万字以下の短編なので一気読みもおすすめです!

その他のおすすめレビュー

宇部 松清さんの他のおすすめレビュー924