青い空、白い雲、緑のたぬき

作者 なみさとひさし

131

49人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

おばあちゃんとの絆。それを描いた作品です。緑のたぬきはその象徴とも言うべき存在か。
しかしながら悔しい思いは私の実生活においても、あったので、共感できました。なぜあのとき、私はこうしなかったのだろう? と。
悔しい思いは人それぞれにあるとは思いますが、私はたくさんの後悔があります。その一つがおばあちゃんとの思い出。心苦しくなります。
そんな後悔を、この作品に感じました。

★★★ Excellent!!!

 子どもの頃、理由があってそばを食べられなかった主人公のヒサシさんには、心残りに思っていることがありました。でも、ただ悔やむばかりでは終わりません。
 大人になってそばが食べられるようになったので、果たせなかったことを成就させるべく行動を起こします。

 青・白・緑。
 題名から浮かぶ清々しい景色は、そのまま主人公の心の中の風景です。
 自らの手で最高の思い出を引き寄せたヒサシさん。
 その姿は、優しく私たちの背中をも押してくれます。

 いつでもやり直せるのだと。
 悔やまれる過去だって、その気になれば良い思い出に書き替えられるのだと。

 作者の不屈の精神と、温かいエールが伝わってくる物語。
 是非、読んで元気をもらってください。

★★★ Excellent!!!

思い込み、食わず嫌い、味覚の変化。
何でも食べられるにこしたことはないけれど、どうしようもないこともある。

主人公のヒサシ君の子供の頃の思い出が、成し得なかったことへの無念が、青い空へ向かって昇華してゆくまでの、非常に爽やかなエピソードです。
ゆったりと流れてゆく白い雲を眺めているのは……

雑食のたぬきは、何でも食べられる喜びを噛み締めているかもしれません。

★★★ Excellent!!!

「今までの人生で一番美味しかったカップ麺は? 」

そんな雑談をきっかけに、主人公ヒサシは過去に想いを馳せます。
身体が弱く、おばあちゃん子だったヒサシ。おばあちゃんはいつも優しかったけれど、歳のせいか、いつもヒサシ少年の食べられないものをすすめてくるのです。
アレルギーだからと断るものの、おばあちゃんの悲しそうな表情に、少年は罪悪感を覚えます……

青い空と白い雲の下、爽やかな秋晴れの山の中で食べるカップ麺は、本当に美味しそう。
ヒサシ君が美味しそうに食べるのを見ていた人たち、きっとカップ麺を買って帰っただろうな…と思い、ニヤっとなりました。マルちゃん!!(笑)

人生で一番美味しいと思ったカップ麺。
語られる思い出とその答えに、ほろりとさせられます。おばあちゃん、喜んでくれているといいな……思わずそう願ってしまう、優しく温かな物語です。

★★★ Excellent!!!

そば嫌いの主人公。一度食べて吐いてしまい、そばアレルギーなのだと気づく。でも味も苦手だし、食べられなくても全然苦じゃない。

けれど大好きなおばあちゃんは、そば好きで、うっかり孫にもすすめてしまう。申し訳なく思いながらも、アレルギーだから、で断っているのだが……。

『今までの人生で一番美味しかったカップ麺は?』

何気なく投げかけられた質問に、主人公は過去を振り返りながら、そのカップ麺にまつわるエピソードを語ります。ほっこりじんわり、心に沁みる短編です。