解説
どうも。Edyです。
なかには本文より先に解説とか後書きを読む人もいるので最初に言っておきますが、ネタバレを含む解説になっております。でもネタバレの有無は気にしなくてもいいと思いますよ。展開を楽しむというより、どう感じるかが重要なので。まあ、先に読むのをお勧めします。
さて物語の主人公である少女ですが、無償の愛を与えてくれる親が嫌いです。嫌いだからリセットしてやり直す。それを『親ガチャ』と『リセマラ』という悪い意味で有名な言葉をあえて使って表現するのがすごい。嫌悪感を覚える人もいるかと思います。でも、ただやり直すだけでは少女が悪い事をしている認識になりづらいんですよね。親や環境が嫌いだから自殺する。残された人が悲しもうがお構いなしに。そこにしっかり嫌悪感を持たせてくれるのが本作の特徴のひとつです。これがあるからこそ、読後に感じるやさしさがより強くなるのではないでしょうか。
そして少女は生まれ変わりを繰り返し、猫になります。野良で好き勝手に生き、飼い猫になってもスタンスは変わらない。それは飼い主が倒れるまで続き、かつて自分が捨てた親だと気付いて、なく。この物語でなくは一貫して平仮名で書かれています。この猫は『泣いた』のか『鳴いた』のかはわかりません。私は『鳴いた』んだと思います。愛されていたと知り、母が倒れて悲しみを知った。でも猫だから泣けない。鳴くしかできない。それがグッときました。
最後に猫は永遠の死をむかえます。満足した死です。環境や親に不満しかなかった少女は猫になり、母になり、飼い主の家族を見守る事に充実していたから満足したのでしょうか? 物語の解釈と同じで、幸せの形も人それぞれです。読んだあなたが納得できる答えを見つけてください。
解説なのに読み手に丸投げするなって思いましたか?
ええ、丸投げです。少なくとも、私には温かい答えが見えましたよ。
100万回親ガチャリセマラしたねこ あきや @akiya9
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