水面に漂う、美しい詩の数々
- ★★★ Excellent!!!
「詩人は、賞賛など求めていない。信じてもらいたいだけだ」という言葉を思い出した。一連の詩において、「月」「星」「太陽」「雨」「桜」と、自然を扱ったものが多い(個人的には、それらが特に好みだった)のが印象的で、きっと、作者である千恵花さんの頭の中には美しい情景が漂っていて、それをそっと救い上げ、詩として可視化したい、というのがひとつの原動力になっているのではないかと思う。読後、夜、月明かりの下、水面に映る景色をひとり眺めているような、そんな心持ちになった。