想像と異なる物語。それは、良い意味で。

『ピーナッツケイヴ』というタイトルから、何となく起伏の激しい物語を想像し、読み進めたが、結果はそうではなかった。それは良い意味で。

出てくる人間も、言葉も、そして別れも、そう特別なものではない。
悲劇的な生き別れや、残酷な死別の描写は出てこない。ちょっとしたことを原因とする、ちょっとした別れが、軽やかな筆致で描かれているのみ。

ただ、だからこそ、ちょっとした毎日を生きる僕にとっては、非常に身近に感じられ、それだけに物語に深く没入できた。

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