ディー、もしくはエルフ語で10

「あの子拷問の末殺したんだね」

「怒られるのかしら」

「そんなわけないだろう、あっちは侵入者だ」

「で、俺は帰っていいか?」

「誤解も解けたしいいよ。今後ともシレステリヴィア商会をごひいきに~」

「旦那の名前?」

「そうそう」

「長いから常連はみんなシレスって呼んでるぜ」

「さっさと帰れ」

「ま、わかっても旦那呼びを帰るつもりないけれど」

「なんでだよ」

「なんとなく?」

「まあ、どっちでもいいよ。あとは魔法の鍛錬だけど…いつやる?」

「今でしょ」

「まあそうだよなあ。客もいないし」


「で、この有様」

「まさか他のエルフに魔力剥奪紋様を刻まれているとは…」

「なんとなくわかってはいたけれど、本当に魔法のまの字もないわ」

「ただ魔力の感知までできないレベルのものは想定外かな…」

「ま、くよくよしていても仕方ないし、明日からお仕事頑張りまあす」

「軽いなあ。ま、軽いくらいが丁度いいけどね」


「こうして、世紀末の商会は発展するのであった、なんてね」

「発展する余地も下地もないのになーに物語風にいっているのよ」


Fin


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聞き分けのいい奴隷エルフ娘の蛮族ランド暮らし 大和田 虎徹 @dokusixyokiti

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