第7話 未来

「こうして、地球は無事、今も続いているのでした…。なんてね。」

「母さん、惚気は聞き飽きたよ。どーせ“少年”の気持ちには、予想だって入ってるんでしょ?…もう、親の仕事を聞くだけでこんなことになるとは…。ま、なんか昔みたいにお話ししてくれて嬉しかったけどさ。」

母親は、照れたように食器を洗いだした。

「はいはい、ほら、もう学校行きなさい。」

「へーい。」

まだ新しい制服に身を包んだ少女は、荷物を引っかけてドアを開けた。


空は、青く続いている。

母は、ゆっくりと娘を見送っていた。

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物理少年と文学少女 うたた @asimoto

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