ニセコさんぽ

ろくろく んよちい

理想のほのぼのルーティン生活

 理想の毎日のルーティン。

それは、羊蹄山を眺めてからの出勤。


標高は1,898m。

雲一つない青空に堂々とそびえたつ山は、その様子から蝦夷富士とも呼ばれている。


 その麓にある会社に向かう途中、羊蹄山を眺めながらの出勤。

毎日見ていても、まったく飽きることがない。

ニセコ町に来て気が付けばもう今年で3年もたっていた。はっきりと羊蹄山が見える晴れた日は、すっきりとした前向きな気持ちに。別の日は、雲で隠れてしまい少し残念な気持ちに。気が付けばその日の気分も山の様子に影響されてしまうほどになっていた。


 晴れた日の休日はスマホ(カメラ)を片手に早く外に行きたくてうずうずしている。今日も澄んだ空の青ときらきらとした植物の緑が「おいでよ!」とボクを呼んでいる。

 でも、やらないといけないことは羊蹄山の高さ並みにある。(……いや、本当はそんなに言うほどはないので、あくまでもののたとえなのだが。)

今日こそ終わらせてしまって、はやくさんぽに出かけたい。


 札幌から中山峠を通って約2時間。ニセコ町には有名な牧場や、外国の観光客が訪れるスキーリゾートやホテルがいくつもある。ニセコの四季を活かしたアクティビティの会社もある。たくさんの観光スポットがある中でもおすすめする場所は、ニセコ町の「有島エリア」。特にお気に入りは有島記念館からニセコ駅までの道。


 実はこの辺り、羊蹄山だけでなく、ぐるりとあたりを見回せばニセコ連峰も一緒に眺めることができる穴場スポットなのだ。道ばたにある家は数件。さんぽをしてもすれ違う人はほとんどいない。時々住民の車が通る程度。あたりには田んぼや小麦畑が広がる。都会の人から見たら「田舎」という文字がもしかしたら頭を横切るかもしれない。


花や野菜の無人販売。

季節によって変わる山の色。


 春、少し遅めの雪解けで柔らかな新芽の目を覚ます。花が咲いてちょうちょうがが飛んできた。


 夏、涼しい風に揺られながらきらきら光る木漏れ日。川の流れる音が暑さを忘れさせる。


 実りの秋。木々が赤や黄色に染まり山がにぎやかになる。黄金色の稲穂と赤とんぼ。


 そして冬、吹雪の後のある晴れた日にしんと静まり返ったあたり一面の銀世界。


もしかして、小説の中に入り込んでしまったの?そんな風に思ってしまうほど。 

そんな風景のよさもあり、本当に小説にも登場したりしているらしい。


大正時代ニセコ町の有島農場を解放した有島武郎さんの小説「親子」。ニセコ駅から坂を上った先にそびえたつ壮大な羊蹄山が見えるというシーンを再現し「親子の坂」が作られた。(実はまだ読んだことがないので、いつかよんでみたいとは思っている。)


 「作られた」といっても、地面はコンクリートやアスファルトの舗装はされておらず苔や木の根がそのまま生えていて、道端の木がトンネルのようになっている。その坂は急斜面で上についたころには少し息が上がってしまう。

でも、上がった後に羊蹄山が見えると頑張った甲斐があったって思える。いろんなアクティビティがあるニセコで、わざわざお金を出さなくても自然体験ができる。そんな場所がこの「親子の坂」。


 そしてニセコ町にはこの小説家の記念館「有島記念館」ある。有島武郎さんの紹介や作品の展示、農場開放までのニセコ町の歴史も学べる。


記念館の中にはブックカフェもありニセコ連峰を眺めながらオリジナルのコーヒーを味わいながら読書も楽しむことができる。そして、記念館を出てしばらく歩くと、田んぼのあぜ道があってその先の木道につながっている。


 鳥の鳴き声がどこからか響いてきた。

この鳥はなんだろう?と耳を澄ます。

ウグイス、カッコウ、ツグミなどいろいろな種類の鳥がニセコに生息している。鳥好きの友達と出かければ楽しさがさらに増える。


 そんなニセコ(有島エリア)でたくさんの自然に囲まれながら過ごしていたらなんだか優しい気持ちになれた気がする。


時間を忘れてのんびりニセコライフ。





晴れた空。


わたあめみたいな雲。


いきいきとした山の青が今日も呼んでいる。

たくさんあったやることもだいたい片付いてきた。

気分転換にちょっとさんぽに行ってきます。

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