サキュバス語り

 ショコラがお屋敷をモップかけをしている。珍しく使用人らしい行動をしているわけであるが、彼女は今観測されていることに気づいていない。


「ふんふんふーん」


 羽をバタバタとばたつかせながら上機嫌に鼻唄をうたいながら掃除をしている。そして、ショコラが観測者と目が遭った。


「あっ……なんですか。いつから見ていたんですか? ふふ。サキュバスの日常を観測しちゃうなんていけない人ですね」


 邪悪さを感じられる笑みを浮かべる。実にサキュバスらしい笑みである。


「ここを見ているということは、本編を最終回まで見たということでしょうか? いやー。これで私も爆発炎上の神も休めるというわけですね」


「違うでゲス。まだ観測所の仕事が残っているでゲス」


 セサミがショコラが掃除したばかりの床を踏み荒らす。庭園を駆け巡った後なのか、床に土がべったりとついている。


「そこのバカ犬。掃除したばかりなのに汚さないでください」


 ショコラは眉をひそめてセサミをモップで叩きたい衝動に駆られる。しかし、動物愛護の精神からそれは実行できない。


「それでは本編も終わったことですし、私目線で本編を語りましょうかね。まあ、最終回を見た感想ですが、そりゃそうだろとしか言えません。我がお父様ながら浅慮すぎて話にならないですね」


「口の周り方は父親似でゲスね」


「最終回になった理由も何度も言った通りですね。売上が続刊のラインに達しなかっただけのこと。それさえ達していれば、まだ続いていました」


「まだ売れれば可能性はあるので、宣伝や布教を本当にお願いしますでゲス。まだ購入されてない方はこの機会にお願いしますでゲス」


「私もセサミも作者の下垣も続刊の可能性は諦めてないので本当にお願いします」


 ショコラは深々と頭を下げる。セサミが伏せの姿勢になった。


「まあ、それはそれとして新作の宣伝でもしましょうか。こちらです」


【バーチャルモンスターズ】

https://kakuyomu.jp/works/16817330669069720839


「主人公の海渡かいど 天馬てんまが仮想空間上に存在するバーチャルモンスターと共に活動していくお話です。要はVtuberの配信に戦闘要素を加えた感じですね。チャンネル登録者や高評価数でモンスターが強くなっていくというコンセプトです」


「ここだけの話。元はVtuberそのものでチャンネル登録で強くなっていく設定を考えていたんでゲス。でも、Vtuberの設定を考えていく内にモンスターの形状している方が戦闘で有利だし、自由にデザインできるVtuberなら全員モンスターになるよな。Vtuberとモンスターの垣根ってないから最初から全員モンスター設定でいいやって作者が思ったからモンスター設定になったという話でゲス」


「このバーチャルモンスターズにも個性豊かなキャラが登場しますね。面倒見が良くて、諦めない強い心を持っていてみんなを励ます主人公の海渡 天馬。年齢不詳のVtuber幸守こうもり ココロ。天馬たちの上司で筋肉質のイケオジのたいら 光輝こうき。そして、女子高生でVtuberをやっている賀藤 瑠璃」


「賀藤……え? このキャラ誰なんでゲス? パッパと関係があるんでゲス?」


「さあ。こっちの賀藤の一族と関係があるかはバーチャルモンスターズを読めばわかるかもしれませんね。くすくす」


「気になるでゲスね」


「というわけで、新作も書籍版も、そしてこの番外編もよろしくお願いしますというお話でした。それでは、またお会いしましょう」


「バイバーイでゲス!」

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バーチャルサキュバスメイドのショコラの観測所 下垣 @vasita

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