良くも悪くも、「翼くん」と過ごした日々を振り返って。

 作者さんの、大学生時代から社会人になったころを振り返ったエッセイです。
「妙に目立つコミュニケーションおばけ」である「翼くん」との、些細な日常を描いています。

「些細」とはいうものの、一宮さんの手にかかるとその日常に発見があります。
 きっとお読みになれば、初めての内容なら面白い発見ができると思いますし、似たような経験をしたことがおありなら、共感や置き換えてほしかった言葉が見つかるように思います。
 また「ろう者」の話も必見です。手話を使って会話をする人たちの知らない世界を知ることができ、人によっては魅了されることでしょう。

 心の奥にすうっと入り込み、溶けて読者の糧になるようなエッセイ。
 是非、読んでみてください。