第一五〇回 帰り道に見る夢。


 ――それは、其々の道。つまりは家路なのだけれど、そこから繋がる明日へ。



 帰り道といえば研究所だけれど、もうこの世界には存在しない。僕はもう普通の女の子へ戻っていた。戦争を知らない子供たちへと……ロボットが大好きな女の子へ。



 ロボットといっても、プラモデルを嗜む程度。そして、一緒に嗜む愉快な仲間も増えたから。そのうち一人は、ラーメン道を究める進路を選んだしょうさん。僕と同じ学園に通いながらのアルバイト。そして夢見ていた、親子三人での新生活を実現していたの。


 ランバルさんも、葛城かつらぎ孝美たかみさんも、翔さんと同じ一つ屋根の下。それはシャルロットさんも同じ。アンさんと共に暮らす……平和な親子共々な、安穏な暮らしの真っ只中へと。


 この物語の終盤には、親しいお友達。


 ボッチだった僕にも、大いなお友達。四季折々と共に平和を求めて……それイコールはね、しっかりとメモリーされている『りかの学習帳』に、綴られていることだ。


 それは……


 それは旧号きゅうごうが、僕らに伝えたかったこと。


 旧号が伝えたかったことはまた、旧一もとかずおじちゃんが、僕らに託した願いなの。


 そのために千佳ちかが、僕をプロデュースしてくれた。……このかけがえのない出会いの場へと、僕を誘ってくれた。話によれば、可奈かなもまたグルだったのだ、千佳との。


 可奈は今、ロボット工学も視野に入れている。ロボットの暴走に繋がった自然発生のウイルスの研究に勤しんでいた。それは何のため? 大好きなお星様たちを守るため。宇宙の平和に向けての、個々の課題に挑んでいるの。それもまた、素敵な夢の一歩。



 せつ太郎たろう君も同じ。僕らと同じ学園への道を選ぶ。そして共々に歩む、この物語で伝えたかったことの日常。……旧一おじちゃんが命を懸けての、そのメッセージに、僕らはこれからも挑むの課題。――この物語で学んだこと云々を、その胸に抱きながら。


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りかの学習帳は、四季折々のスーパーロボット。 大創 淳 @jun-0824

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