あとがき

 一緒のペアになろうよ。私の震える声に、クラスメイトは苦笑いを浮かべる。あぁ、三人組になりたくないんだね。涙を堪えて笑顔を作る。その反動か、仲のいい二人組の間に入れない。リレー小説の誘いができずにいる。


 とあるハッシュタグにまつわる文章。それが薮坂さまとのリレー小説が生まれたきっかけになりました。夏帆以上に引っ込み思案な作者ですよね。遠慮しすぎる性格を直さなければ。


 大学の創作演習の講義でリレー小説を書いていたので、予想できない展開に懐かしさを覚えました。自分には思いつかない表現や発想から刺激を受ける、貴重な体験になりました。


 コンセプトも仮プロットもチェックポイントも薮坂さまが提示してくださったので、次回のリレー小説は私が提示しないと割に合いません。物語の骨格がある程度決まっていると、かなり書きやすかったです。


 チェックポイントがあるおかげで、自由にキャラを動かせました。夏帆より涼風が目立ちすぎることを阻止するため、スピンオフを書くほど筆が進んでしまいました。総文字数を見てびっくりしましたよ。薮坂さまの文字数はともかく、短編が多い私の作品で三万字を超える作品は稀ですから。


 夏帆視点では山口弁を使ったので、簡単な注釈を残しておきます。


 ぶち:とても

 せんない:つらい

 ぬくい:あたたかい

 ~ちょる:~している。語尾につけて使っちょる。

 はぶてる:いじける、すねる

 えらい:疲れた、苦しい、つらい、ひどい

 よーけ:たくさん

 う:「答え、合うちょるよ」みたいに話していますね。


 個人的に博多弁や広島弁が可愛いと思っていましたが、夏帆の使う山口弁はぶち可愛かったです。

 山口弁の使い方に太鼓判を押してくださった、暗黒星雲さま、もりくぼの小隊さまのお二人に感謝いたします。


 最後になりましたが、「Iove letters」を読んでくださった読者の皆さま、ありがとうございました。薮坂さまのクオリティに負けないよう、心を込めて書きました。実力の差は感じておりますが、薮坂さまに真面目な恋愛小説を書かせた点だけでも役目は果たせたはず。

「初夏のプールサイド」https://kakuyomu.jp/works/1177354054888300589

 のような世界観が好きなのですよ。爽やかな夏の切り取り方がうまい。夏以外の季節も綺麗に描かれていますけどね。


 夏を書かせたら最強の薮坂さまと、リレーできて幸せでした。心よりお礼申し上げます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Iove letters 羽間慧 @hazamakei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説