私たちを見つめ直すSFの機能性

 『淫紋』という言葉に目を引かれますが、文面以上に考えなければいけない話題なのかなと、思わせられます。色々なことを簡単に分かった気になりたくない。悩みや葛藤や思春期の青さが、この『淫紋』には込められているのだと思います。
 お話ではふたりの女子高生がメインとなって繰り広げられますが、決して女性だけの話ではないと思います。男性は「ない」し「わからない」からこそ、知ろうとすることが大切なのだと感じさせられます。
 当たり前のことを切り取って、改めて人間らしさを見つめ直す。
 SFらしいSF作品であると思います。
 ぜひ読んで、自分なりに考えることをお勧めします。

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