第4話 見た目は金髪美女なのに催眠術出来ます

「みんな、もうわかっているとは思うけど、作戦は私に合わせてね。

ターゲットは学校で見た通りだから、帰り道で家から近い所で

捨て猫作戦実行します!」


(もうまどろっこしいやり方はしないで、直接ぶつかるしかない

わかった事は、何も『わからなかった』って事だけ。

簡単に進むと思っていたのが甘かった

だけどこれはある意味前進だと思う)


「作戦実行はみんな子猫になるので、変身お願いします!」


「それは、わたくしの出番ですね。子猫にはなれないから

場所はもう決まっているのですか?」


「それは、本番一発勝負なので、みんなの協力お願いします。

それと買い物籠かご一つお願いします、捨て猫といえば

何か粗末な物に入るのが拾ってもらえる

確率上げるのに必須ですので!」


「はい。わかりました、わたくしは

そのお役目頑張りますけど・・・

その他の御三方おさんかたはなにを

なさるのですか?」


「私は心の声を聴いてもう一つの能力で

カバーしますね」

(能力は一つだけではないらしい)


「あ、そうですね。テレパシーの方は

捨て猫作戦で一番大事なので

よろしくお願いします、同時に二人は無理でしたよね?」


「はい。対象相手は一人まで、ですので

白猫さんにしたがいます

その時に教えてください、私の目を見て

くれればスイッチは私が切り替えるで」


「私は何をすれば良いのかにゃ〜」


後ろ足で首を掻きながら聞いて来た。

(この子はもう猫が70%だな!)


「ターゲットの帰り道を他の生き物から

聞いて貰えますか?」


「にゃにゃ、それは今から行って聞いた方が良くないかにゃ!」

(おぉ〜 以外にも状況わかってくれる!)


「そうですね、早めに聞いてくれると助かります! 

わかり次第直ぐに合流してくださいね!」

 

「猫使いが粗いにゃ〜 仕方にゃいな〜

ではお先に行って来るにゃ (タタタタタ)

お礼は刺身を要求するにゃ! 頼んだよ〜にゃははは」


「返事も聞かずに行ったな! お願いするのは私では無いけど

あの子は食べ物あげれば良いのか・・・・・・

チョロいな!」


「わたくしは、そこが愛らしいって思いますので、遠慮なく好きな物を

おっしゃってくれれば、なんでもあげますのに」

 

「これで、場所とだいたいの役割分担は

大丈夫ですね!後は私に任せてくださいね!

私の得意技を披露ひろうしますで!」


「そういえば、その得意技どうやって覚えたんですか?」

 

たゆみない努力ですね! 後は経験人数ですけどね!」


(経験人数って卑猥ひわいな事ではありませんので

変な想像した方は忘れてください)


「白猫さんは努力しているんですね〜」


「ん〜 最初は具体的に理解出来なくて

やってみたら面白くなって楽しく出来た

からキツイ事は無かったですね!」


 その頃弓鶴は学校から家に帰るところ

みたいで、一人で歩いている。

勿論もちろん、誰とも挨拶はしてない。


(他の生徒たちは部活をしているが弓鶴は

振り返る事すらしない)


 そもそも教師がAIロボットなので

登校と下校さえ分かればいいのである。


 人間の教師が居なくなったのは、圧倒的に

人間よりAIロボットが優れている事。


 少子化対策として

国が学業に対する金額負担が大学まで

補償する法律が出来たからである。


 各個人の学力に応じて支援するプログラム

で強制では無いがほぼ九割の未成年者が

申請している。


 弓鶴もそうしている。

(去年おばあちゃんが亡くなって

それを理由に学校を辞めたとしても

働く事も頭の中には皆無かいむ)


 最後に話をしたのはいつだったのか・・・


「白猫さん、このままターゲットの心の声を聞き続けてみます。

まだ聞けていないので聞こえるまでロックオンします!」

(言い終わったら目が青白く光った)


「よろしくお願い! そのままターゲットを尾行しながら天然ちゃんの

作戦場所を見つけてくれるのを待ちつつ、決まったら

後は私に任せてください!」


「わたくしは問題ありませんので

お気になさらず、白猫さんに合わせます」


「私は心の声だけに集中してますので

何かあれば教えてくれませんか?」


「人間からこっちを認識出来ないから特に問題は無いと思うけれど

何かあればね。家まで着くまでに間に合えば大丈夫です!」


「にゃはははっは! 良い場所見つけたにゃ!

ターゲットの家から三十メートルくらいの所に人目がつかない

良いゴミ捨て場を見つけたにゃ!」


「早いね! いつの間にかいるのは流石さすが猫の本能ダントツ!

汚くは無いよね?」


「ゴミ捨て場だけど、ゴミはにゃいです。

みんなが居るところでターゲットが

引くのは避けるのは当たり前だにゃ!」


「なんかすいません、猫の本能がみんな

よりあまりに残っていたので期待薄でした」


「白猫さんは私を舐めすぎにゃ!

やればできる子にゃんだにゃ!

晩御飯はお刺身でお願いしますにゃ!」


(目がキラキラしている、やっぱりご飯か!

チョロいな!)


「よしと、では作戦実行するよ!

目標はターゲットに拾って貰って

家に連れてってくれれば成功です!」


「ターゲットが来るまで後一分!

みんなはかごの中に入って

とりあえず猫らしくお腹が空いた

アピールしてください!」


「後は大船に乗ったと思って下さい!」


 弓鶴は何も知らずに向かって来る。

丁度捨て猫に目を向けたが、そのまま

歩いて行こうとしたところで白猫が

人間の姿になって弓鶴の後ろから肩を叩いた。( 二回トントン)


 弓鶴はびっくりして振り向いた!

(誰も居ない⁇)

前を向くと金髪美女が目の前に居た!

(二回連続でびっくりした)

この時弓鶴は頭がぼんやりしてきた。


「君! 今捨て猫見たよね。

なんとも考えないでそのまま行くつもり?」


弓鶴は硬直こうちょくして何も言えない。


「ゆっくり落ち着いて、私はあなたに何もしない

でも振り向いて捨て猫を見ると

どんどん落ち着いてくる。

猫の目を見ると家に連れて保護ほご

したくてたまらなくなる、私がこの手を

太陽に伸ばすと目が閉じてそのまま

何も考えなくていい・・・」


 言い終わると金髪美女は人差し指を上に向けて太陽を

指さした。


 つられて弓鶴も上を向いて太陽を見た瞬間に眩しく目を閉じた。

ほんの少しだったが、もう目の前に金髪美女は居なかった。

(これで弓鶴は催眠術にかかっていた)

自然と捨て猫に目を向けた。


「ナーナーナー・・・」


「今よ! ターゲットに家に連れてってとテレパシーしてください!」


「了解です! 早速伝えます!」


(家に連れてって鳴いてる? お腹が空いているのか?)


考えながらかごを持っていた。

そのまま家に連れて行った。

(何も思わず、当たり前の様に・・・)


「よし! 捨て猫作戦成功です!」


「ご飯! ご飯が食べれるにゃ!」


「とりあえず、わたくし達の第一目標達成ですね」


「初めて心の声を聞けました! でもなんだか感情的には無いんですよね〜  

白猫さんの催眠術の所為せいですか?」


「それはありますね。手っ取り早くしたのでまぁ結果オーライです!」


そのあと家に着いてから四匹の猫達が泣くはめになる

彼女達は知るよしも無かった・・・・・・

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