骨太の中華風ファンタジー

 何度死んでも復活する剣士の男と、若い死霊術師の男が出会い、悪を討つための旅に出る物語。

 ゴリゴリの中華風ファンタジーです。
 とにかく本格的というか完成されているというか、どっぷり浸れる古代中国の世界が最大の魅力。

 漢字が多く展開も硬派めなのに、すいすい読めてくっきり想像できる。この物語の飲み込みやすさは本当に素晴らしいです。
 何も知識のないいち読者(自分です)から見て、厳密にはわからないはずのものが出てきていても、余さず想像できてしまうことの凄まじさ。

 物語の筋そのものは、出会ったふたりの男が目的を果たすために同行するというもの。
 剣技と死霊術を駆使して目的の敵を倒す戦いのお話であり、つまりバトルも魅力ではあるのですけれど、でもなにより好きなのがその結果というか、このふたりの関係性。
 より正確には、その繋がりのようなものができていくまでの過程が、そのまま物語となっていることです。単純に彼らのキャラクターが好きというのもあるのですけれど、でもそれ以上にこのコンビ感がとても素敵なので……。

 なんだか完成度の高さのようなものを感じさせる作品でした。どっぷり浸れる雰囲気の濃さが好き!

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