天地道士

　遥か昔、世界は混沌としていた。巨神・盤古《ばんこ》により世界は天と地に別れ、盤古の身体からできた五つの山・五岳と、陰陽の気を巡らせる四柱が世界の均衡を保っていた。
　天に近い五岳には、仙人になるために修行する道士が集まり、優れた力を持つ彼らはいつしか『天道士』と呼ばれ敬われるようになった。対して平地で修行する道士は『地道士』として下に見られ、両者の間には格差と深い溝が生まれていた。

　ある日、地道士の少女・周清羽《しゅう・せいう》は、四柱の一つにわずかな異変を見つける。清羽は、泰山からやってきた天道士の冷徹な美青年・藍景雲《らん・けいうん》と共に、柱の異変を調査することになるのだが、なぜか景雲に敵視されており……。

　清羽と景雲、正反対の二人が反発しながらも、柱の周囲で起こる奇怪な事件…続きを読む