第2話 明かされるカードと陣営

 カード補充後、アリスは黒龍と遭遇、しかし勝負は仕掛けない。アリスは勝ち誇った笑みをしている。その表情が不気味で怖い。



 黒龍が見た明智のカード、しかしもう特殊カードは補充されない。


「明智が一番厄介だが今度仕掛けてきたら潰すか」


 これは明智と黒龍は繋がっていないということだろうか?



 さくらは未来と遭遇した。


「未来さんまた会いましたねー」


「そうだね、勝負する?」


 カード補充後、急に勝負越しになった未来。


「カード見てから決めます」


 未来は躊躇なくカードを見せた。それは天理と同じカード、交換カード、交換カードは消失しないが相手のカードと交換することができる。

 さくらは天理と未来が戦っていたことを理解する。


「やっぱりやめときまーす」



 またしても会った明智と黒龍。明智の強気は変わらない。


「勝負しますか?」


「今度は何出すきだ?とりあえず一回目ははい、だな」


 明智は補充前と同じカードを出した。


「じゃあな明智」


 黒龍が出したカードは防御カード、それに比べて明智が出したカードは逆襲カード。逆襲カードは攻撃、防御カードには勝てない。明智は敗北した。明智と黒龍は繋がっていない。



 アリスは笑う、これほどまでに完璧なカードが揃うとは思わなかったからだ。


「僕は仕組んでないんだけどな」



 天理は未来とすでに戦っていた、しかし交換カードで得たのは防御カード、未来は防御カードを持っていたということだ。しかし防御カードは攻撃カードと逆襲カードには最強の武器となる、天理はとあるカードさえ持っていれば負けることはないのだ、そのとあるカードとは。



「黒龍さんに負けてしまったよ、すまないね」


 しかし、明智に焦りはない、明智は脱落したかと思った、しかし復帰した。とあるカードによって。



 さくらはとにかく戦いたい、一回目の未来は勝負を仕掛けてこなかった、しかし二回目から強気になった。それなりのカードを持っているのだろう、さらに、天理と未来は戦っている。その情報を王なのか配下なのかどちらかは分からないが伝えるのである。

 次に見つけたのは黒龍が倒した明智。さくらが話しかける前に明智が話しかけてきた。


「おや、さくら君ではないか、勝負するかい?」


「カード見てから決めようかな」


 明智はカードを出す。


「じゃあもらうねー香ちゃん」


 明智からさくらは盗人カードを使い瞬殺カードを手に入れた。



未来  交換カード(天理から交換) ??? ???

黒龍  防御カード(消失済み) ??? ???

アリス ??? ??? ???

明智  逆襲カード(消失済み) 瞬殺カード(さくらにより消失) ???(なにかのカードで復活)

天理  防御カード(未来から交換) ??? ???

さくら 盗人カード(消失済み) 瞬殺カード(明智から入手) ??? ???



「お前は王だ、カードを集めれば問題ねぇ、誰だ復活させるカード持ってるやつ」


 それは黒龍の声、黒龍は王ではないらしい、黒龍は何者かの配下。


「さっさと蹴りをつけるか、また補充されて攻撃カードやら防御カードの外れカード引いたらやべぇしな」



 しかしまた一時間たち補充時間、黒龍は明智の復活に明智陣営に復活カードを持つ人間がいることを理解する。もしくは明智自身が生命カードを持っている線もある。

 そして相方は言うのだ、複製カードを手に入れたと。複製カードが明智の手に渡っているのなら明智は何度でも復活する。

 明智陣営と黒龍陣営は対立している、相方は誰なのかはわからない。しかし、もう一つ勢力があるはずなのだ。



「ようやく外れ札を引いてしまったか、まあいい運がいいねぇ僕たちは」


 アリスに戸惑いはない、アリスの相方はいったい誰なのか。



 未来は天理と一回対戦、結果防御カードを捨てることに成功している。

 未来の相方はすでに動いている、完全にこのゲームを理解しているのだ。これでもっと仲良くなれそうだ、そんなことを思った未来である。



 黒龍と明智の戦いは終わっていない。


「気づいてるか明智、このゲームはさっさと終わらせねぇと攻撃カードと防御カードを引いたら他が強くなっちまう、俺から勝負を仕掛けるぜ」


「ふむ、確かに言われてみれば」


 黒龍はカードを出す。明智は考えたがカードを出す。

 破壊カードと破壊カード、相打ちだ。


「チッ、潰せなかったか、もうカードがねぇな」


 その言葉を聞いた明智。しかし明智は冷静だ、口車には乗らない。

 しかし10分が経過し黒龍は明智に再度勝負宣言、同じ相手に10分後以降に声をかけらえた場合勝負しなければならない。

 明智は仕方なくカードを出す。黒龍も出す。

 明智は攻撃、黒龍は瞬殺、明智の二度目の敗北だ。

 だが、また明智は復活する。

 そんな時、追い打ちをかけるようにさくらがやってきた。


「香ちゃん勝負しよー」


 ルール上カードがない場合勝負を受けなければならない。


「さくら君か、もうカードがないからはいとしか言えないね」


 さくらは容赦なく明智から奪った瞬殺カードで粉砕した。明智はもう復活することはなかった。


「酷いことをするものだねぇ」


「天理ちゃんからの教えだよ、時に人は残酷にならなければならない、上に立つためならどんな手段を使っても構わないって言ってたからねー」


「さくら君、君は天理君と組んでるのかね?」


「それはまだ言えないよー、上からの指示でね」


「君は配下かい?だとしたら王は天理君ということか?」


 さくら陣営はいったい誰と組んでいるのだろうか。



 黒龍は次の相手を天理に。


「おう天理、勝負だ」


「めんどくさい…」


 黒龍はその対応で踏んだ、天理は明智と組んで何度もよみがえらせている、つまり強いカードがない。


「復活カードを複製させてたのはお前だな10分経ったら強制バトルだぜ、追いかけまわしてやるよ」


 天理は諦めたかのように勝負に乗る。


「一応仕掛けてきたのはそっちだしカード見せて…」


 黒龍はカードを見せる。天理も面倒くさそうにカードを見せる。

 黒龍は瞬殺、天理は盗人、結果、黒龍は天理に瞬殺カードを奪われた。



 黒龍が歩いていると未来に遭遇。


「黒龍さん、勝負しませんか?」


 黒龍はすでに手持ちがなかった、もう断れない。黒龍は仕方なく。


「乗るしかねぇな…」


 未来はカードを出したが黒龍に手持ちはない。黒龍は脱落した。

 未来が出したのは交換カード。黒龍は脱落したため交換カードは未来の元に戻ってくる。

 黒龍は未来陣営の強さに気づいてしまった。



未来  交換カード(天理から交換) ??? ??? ???

黒龍  防御カード(消失済み) 破壊カード 瞬殺カード 瞬殺カード (脱落)

アリス ??? ??? ???

明智  逆襲カード(消失済み) 瞬殺カード(さくらにより消失) 破壊カード 攻撃カード (脱落)

天理  防御カード(未来から交換) 瞬殺カード(黒龍から入手) 盗人カード(消失済み) ???

さくら 盗人カード(消失済み) 瞬殺カード(使用済み) ??? ??? ???



 さくらは天理と遭遇。

 まさかの天理から声がかかる。


「さくら勝負するか」


「もちろんうけるー」


「私からか…はい」


 天理はカードを出す。さくらは異変に気付く。


「あれ?」


 さくらは最初、天理と戦った時交換カードを見せた、次に未来と戦った時、未来も交換カードを見せた。交換カードは特殊カード、一枚しかない、未来に交換カードがあるはず。しかし、天理が見せたのは交換カード。


「天理ちゃん、また未来さんと戦った?」


「私は初めから未来と二回戦っている…」


 天理が未来を呼び捨てに、しかも初めから二回戦っているといった。さくらの中で何かがつながった。


「もしかして天理ちゃんのペアって未来さん?」


「よくわかったな…」


「呼び捨てにしてたっけ」


「未来でいいよって言われてたから…」


 知らない間に天理と未来は親睦を深めていた。


「さくらのペアは黒龍だな、明智の集中砲火、あれを見て確信した…裏で蘇生させてるのはアリスか、アリスは攻撃的な意味では弱い、そしてまだどこの陣営も脱落していないということはさくらが王、黒龍が配下、アリスが王、明智が配下だ」


「天理ちゃんにはわかっちゃったかー、てことは天理ちゃんが王だね」


「さぁ…」


「でも交換カードはねぇ、戦力にならないからね、じゃあね」


 あと30分、天理から逃げ切れば補充できる。しかし追い打ちをかけるように未来からの挑戦状。

 10分後、まずは天理の攻撃、天理カードを出す、さくらは仕方なくカードを出す。

天理は交換カード、さくらは破壊カード、交換に成功だ。

 続いて未来の攻撃、未来はカードを出す。

 未来の交換カード、さくらは交換カードを出した。

 そして今頃気づいた。


「交換し合ってたんじゃない?複製?」


「はい、そうですよ、天理ちゃんの考えですよ」


「私が最初に持っていたカードは複製と防御だ、未来が最初に持っていたカードは交換ともう一つは言えない…私は防御カードと未来の交換カードを交換した、そして複製して交換カードを二枚にしてから私の交換カードと未来の防御カードを交換した、よって初めから交換カードは二枚あった、そして今はさくらの持っているカードを交換カードを使って探り出した、破壊カードが確定した、あとは交換カードと二枚か…どう探るかな」


 さくらは破壊カードを晒すことになってしまった。



 あと15分といったところでアリスと遭遇、未来と天理が交渉するが受けない模様。10分後、ルールなので仕方なくアリスは受ける。未来はカードを渡す、アリスもカードを渡す。

 未来は交換カード、アリスは防御カードだ。交換は成立した。

 天理は頭を整理する、明智を監視していたためカードの枚数を整理した結果明智は生命カードを持っていない。



? 未来陣営  交換カード 防御カード ??? ??? 

? 天理  防御カード(未来から交換) 破壊カード 瞬殺カード(黒龍から入手) 盗人カード(消失済み) ???


王 さくら陣営 盗人カード(消失済み) 瞬殺カード(使用済み) 交換カード ??? ???

配下 黒龍  防御カード(消失済み) 破壊カード 瞬殺カード 瞬殺カード (脱落)


王 アリス陣営 交換カード 復活カード(???) 複製した復活カード(???) (生命カード) 

配下 明智  逆襲カード(消失済み) 瞬殺カード(さくらにより消失) 破壊カード 攻撃カード (脱落)



そして補充タイム、一体何のカードが補充されたのか。



「まずいね、でも何とかなるかな」


 アリスはまだつながりに気づいていない。

 アリスは天理に勝負依頼、天理は乗った。アリスはカードを差し出す。

 アリスは交換カード、天理はそれを見て防御カードを差し出した。



 アリスの今回補充したカードがつかめれば完璧にアリスを掌握できる。しかし切り札は最後まで取っておきたい天理なのである。天理は最悪なケースを考える人間だ。天理が引いたカードと未来の引いたカードを見て攻撃カードと防御カードは引かなかったことを想定する。


「どうする、天理ちゃん」


「私のさっき引いた瞬殺カードと交換カードを交換してさっき未来が引いた複製カードを瞬殺カードに変えて未来が前補充で手に入れた盗人カードを交換してほしい…」


 天理は瞬殺カードを、未来は複製カードを引いていた。


「さくらかアリス、どちらかが盗人カードを引いていれば面倒だ…」


 しかし、この状況で瞬殺カード、盗人カードは武器になる。天理はさくらに、未来はアリスに勝負宣言した。さくらは迷っていたが。


「天理ちゃんの陣営二人だもんね、また補充されたら大変だし受けるよ」


 天理は瞬殺カードを出した、さくらが出したのは無効カードだ。相殺され相打ち。さらに勝負を仕掛ける天理。10分後、仕方なくさくらは勝負しなければならない。 

 天理が出したカードは盗人カード、さくらの最後のカードは破壊カード、さくらは破壊カードを盗まれた。もうさくらにカードはない。さらに勝負を仕掛けるがカードがない。ルールのため承諾しなければならない。天理は交換カードでさくらを脱落させた。


「チッ、天理を仕留めるべきだったか」


「やられちゃったー、黒龍の兄貴ー」


 さくらもさくらで黒龍とこのゲームを通じて知らないうちに親睦を深めていた。



 一方未来は。


「アリスちゃん、勝負だよ」


「仕方ない、受けてたとう」


 まずは未来がカードを出す。

 未来のカードは瞬殺カード、アリスのカードは盗人カードだった。未来は瞬殺カードを奪われた。しかし、またしても未来は勝負を仕掛ける。瞬殺カードを持っているアリス。もちろん勝負を受ける。未来はここで切り札の特殊カードを使うことになる。

 未来が出したのは逃走カード、アリスはもちろん瞬殺カード、未来は逃走カードにより守られた。アリスの手持ちはあと二枚、次の補充まで40分以上、さらにアリスは未来陣営が天理と未来だと気づいていない。


「アリス…勝負」


「遠慮しておくよ」


 しかし10分経ってしまった、アリスは交換した防御カードとおそらく生命カードだろう、違うカードだったとしても天理にとっては関係ない。なぜなら天理は未来の配下だからだ。

 天理が出したカードはさくらから奪った破壊カード、それに対してアリスは防御カード、アリスは脱落だが生命カードを使ったが、アリスは詰んでいた。もうカードがない。絶対に断ることができない。


「アリスちゃん、確かにこのゲームは協力をお題によく考えられていたゲームだね。アリスちゃんは生命カード、復活カード、蘇生に特化したアリスちゃんの陣営は明智さんという最強の配下をよみがえらせることができる命重視の陣営、でも明智さんが脱落したことでアリスちゃんに攻撃手段はほぼなくなっちゃったんだね、そしてさくらちゃん率いるさくらちゃん陣営、片っ端から勝負を仕掛けるスタイル、黒龍さんは明智さんと、そしてさくらちゃんも明智さんに、でも天理ちゃんには手を出せなかった」


「未来と天理、黒龍とさくらが手を組んでいたのかい」


「そう、私たちには最強の武器がある…ゲームの内容を見れば逆襲カードがクイーンと思うかもしれない…しかし、さくらが私達に手を出せなかったのはそれよりも最強のクイーンカード、交換カードの影響だ…交換カードは自分の武器を相手に渡してしまう、それを恐れた。そしてアリスは蘇生系のカードばかり、それもあってかアリスは攻撃的に弱い、明智はさくらと黒龍から一方的に責められることになった…その後復活カードを使っても明智は脱落したそれを機に私たちの漁夫の利は成功する、黒龍は明智との戦闘でカードを使い切っている、よって私たちは黒龍に止めを刺す。それでもさくらは攻撃カードを何枚も持っている、そして確定した、明智を何度も何度もよみがえらせているのはアリス、よってアリスと明智はチーム、私と未来はチームのためさくらと黒龍が組んでいることになる…あとはカードを減らせばいい、待っていても補充されても私たち未来陣営は2枚補充、さくらは一枚、アリスは一枚しか補充されない…明智と黒龍が脱落しているからだ、さらに明智を監視していた前半、すでに逆襲カードは使われていた。私はカードを減らさないため極力人と会うのは避けていたつもりだ…よってこの時点で攻撃カード、防御カードを無意味なカードとなる。この時点で最強の攻撃カードは破壊カードの上位互換、瞬殺カード、またはそれを盗める盗人カード、アリス陣営は命を意識した防御的戦闘を、さくら陣営は攻撃を意識した攻撃的戦闘を、私たちは中立を意識した傍観的戦闘を、確かに協力することで個性は出たな…」


 もうアリスは勝負を拒否できない。天理から交換カードが出される。アリスは敗北した。


「やはり僕はゲームに勝つのは向いてないのかもしれないね、二回目の補充で複製カードを引いた僕は復活カードを複製、明智にはすでに逆襲カードの天敵である攻撃カードが一枚最初の時点にあったからね、二回生き返らせることができる明智に黒龍と何度も戦わせた、裏で僕が復活させていたからね、しかし僕の指示ミスだ、明智を完全に脱落させられてしまった僕には攻撃手段がない」


「いやいやアリス君、復活カードが二枚もあれば私も同じように出し惜しみをせず戦っていたところだろうね、最後にさくら君に止めを刺されるなんてね、さくら君と黒龍さんで私は集中砲火を受けていたからね」


「僕から勝負を挑むことはない、なぜなら僕は弱いからね、強いのは生命的な部分だけ、それにしても天理、君はまだ興味を示さないね、これ以上に君を虜にするゲームを作らなければいけない、まだだ天理、僕は君を僕の作ったゲームで興味を示さしそして天理、君に勝利する」


アリスは天理を必ず関心の示すゲームを作り勝利すると誓うのである。



各陣営、最初に引いたカード

未来陣営

未来 交換カード(特殊) 逃走カード(特殊)

天理 複製カード 防御カード

ゲーム開始後、未来の交換カードと天理の防御カードを交換、天理は交換カードを複製、またしても交換、未来の防御カードと天理の交換カードを交換

未来 交換カード(特殊) 逃走カード(特殊)

天理 交換カード(複製) 防御カード


さくら陣営

さくら 盗人カード 無効カード(特殊)

黒龍 破壊カード 瞬殺カード


アリス陣営

アリス 生命カード(特殊) 復活カード(特殊)

明智 逆襲カード(特殊) 攻撃カード



「未来が王だったってことか、確かに交換カード、何の効力も示さねぇように見えて確実に先出ししても脱落しねぇ、カードも手に入る、このゲームのキーってやつか、俺らの目的は全員確実にぶっ潰し数を減らす、明智は俺とさくらでつぶしたが天理と未来は交換カードで手がさせねぇ」


「私は何度も黒龍さんに、最後はさくら君に止めを刺されてしまったけど私は楽しかったよ、案外アリス君とは気が合いそうだ」


 さくらと黒龍、明智とアリス、未来と天理はこのゲームを通じて少しずつではあるが親睦を深めることになった。

 約束通り、一位の未来、天理には、中華料理食べ放題無料券が景品として贈られた。



「僕はさらなるゲームを作るため研究し続けなければならない、黒龍、明智、さくら、そして今日は来なかったが朱音、あまり接点もない人物もいるが彼女たちはなんとなくわかる、しかし、最初のゲームから本性を二つ隠し通して一位に返り咲いた未来、そして、おそらくチェスが好きで赤が好き、しかしそれ以外の情報はほぼ無関心かと思えば最後まで考えている天理、未来と天理、この二人はまだまだ計り知れない可能性を持っている。僕の知らない世界にさえ連れて行ってくれるのかもしれない」


 アリスは反省する。


「確かに今回のゲームは逆襲カード、このカードこそが要だと思っていた、次に重要なのは盗人カード、逆襲カードがなくなれば無双できる、しかし抜けていた、破壊カードは瞬殺カードの下位互換に過ぎない、交換カードこそこのゲームのキーパーソンか、僕はこのゲームで反省をして成長しなければならない」



 月曜日だが祝日だ、今回は中華料理店で未来と天理は会合した。


「なんかみんなには申し訳ないね」


「そうですね…未来さん…じゃなくてそうだな…未来…」


「そうそう、別に私に敬語とか使わなくていいからね」


「私はそんなに食べられないけど…」


「私もだよ、でもさくらちゃんや黒龍さんならたくさん食べそうだね」


「確かに…」


「そういえば黒龍さんが言ってたよ、さくらって面白いやつだーってね」


「そういえば私のSNSでもさくらが黒龍のこと黒龍の兄貴って呼んでたり明智も明智でアリスの話で盛り上がってたり」


「もしかするとアリスちゃんはゲーム勝ち負け以外にも友情を芽生えさせる意味でもゲームを開催したのかな?私たちもこうやって話してるからね」


「アリスならあり得る…」


「でも今回の初めの手持ちカードを見るとアリスちゃんと明智さんが圧倒的だと思ったけどね」


「確かに実質二回蘇られるうえにクイーンを所持する明智、しかし私たちには隠し札、交換カード、あと一マス進むだけでクイーンになれるポーン、それを作れる複製カード、さくらたちは騙された所詮ポーンだと、その気になればクイーンにもなんにでもなってしまうポーンを、だからこそ序盤は交換カードを渡してはいけなかった、または偵察にも使える」


「確かに、逆襲カードですら交換できてしまうし確実に脱落することがないうえにカードが減ることもなく盗人カードですら交換できてしまうからね」


「未来はルークだな…」


「チェスが好きだね」


「もちろん、黒ではなく白のルーク、どんなことでもブレずに最後まで貫き通す、さくらはいい意味でブレブレな白のビショップ、ビショップオープニングがふさわしい、先陣を切るさくらだ、危なっかしいが、アリスはナイトかもしれない、動きは難しいものの回転率が速い思考の持ち主アリス、私はポーンに過ぎない」


 未来はチェスの駒を言われるが駒自体は知っている程度の知識だ。

 天理は常に最悪のケースを考えあらゆる人間を駒とたとえすべての人間が裏切ると、そういう思考の人物だ、だから言う。


「いつか未来という存在も落ちるのだろう…」


「落ちるってどういうことかな?」


「善人から偽善、そして悪人に」


「私は善人ではないよ」


「善人だ…まだ今は…」


 だから天理は期待はしない、関心も示さない。いつか人間は死ぬようにいつか人間は裏切るのだから。どれだけ天理にとって希望な存在が現れてもそれはいつか絶望になる、信用など天理はこの人生一度もしたことなどない。天理は一歩進むためならその自分の駒ですら犠牲にするだろう。


「前のアリスちゃんはそうだった、でも今は違う、アリスちゃんは死ぬことから挑戦することに歩み始めた。だから天理ちゃん、次は天理ちゃんの番だよ、私が天理ちゃんを救って見せる。私は駒でも構わない、でもいつか人の素晴らしさに気づくはず、私は天理ちゃんに心を開いてもらいたい、そのために私は全力を尽くす、天理ちゃんの未来のために」


 未来は天理を救うと誓った。天理を救うのは根本的な部分から救い出す必要があるため一筋縄ではいかないだろう。



 4人は天理に誓ったことになる。

 黒龍は必ず天野天理という人物を暴き出すと。

 さくらは必ず天野天理にふさわしい実力者になると。

 アリスは必ず天野天理の興味を示すゲームを作って見せると。

 未来は必ず天野天理に心を開いてもらうと。



 果たして4人の課題は達成されるのか?天野天理という人物に迫りたどり着くことができるのか?





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悟りゲーム 協力編(パート4) @sorano_alice

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