悟りゲーム 協力編(パート4)

@sorano_alice

第1話 新たなゲーム開催

まずはじめに参加者一覧。

 横口未来(よこぐち みらい) ベージュの髪をした優しい少女、芯が強く、善人、その言葉が一番ふさわしい人物。合唱部に所属している。高校一年生。

 黒龍連(こくりゅう れん) 赤い髪と少し長い髪の外見。高校最強の武力を持つことで有名な男性。この地域で名を知らない者はいないだろう、暴力で支配してきた。それなりに人望も高い。また、相手の目を見るだけで大体の相手の特徴を掴むことができるという感を持ち合わせているがどうしてもどうつかみきれない相手が一人いるらしい。何としても本性を暴く模様。高校一年生。

 花野アリス(はなの ありす) 初めはいじめられていた黒いパーカー服を着た青い髪の三つ編みの小柄な少女、自殺願望者であったが未来やほかの仲間たちに出会い徐々に心を開き始めている。中学一年生。とある人と絶対に興味を示すようなゲームを作ると約束した。

 明智香(あけち かおり) 銀髪ロングの髪をした中学三年生。その可憐な姿とは裏腹に運動神経抜群。今は引退したが元女子テニス部の部長をしていた。落ち着いていて冷静である。

 天野天理(あまの てんり) 赤髪ロングの中学一年生。服装、私物、あらゆるほとんどのものが赤、テニス部に所属しているが控えめに言って下手。黒龍連が唯一つかみきれない相手でもある。その他チェスが上手い。今回の参加者の中では一番謎が深い人物。何事にも興味を示さない。

 大道寺さくら(だいどうじ さくら) 短髪のいかにもスポーツガールという言葉がふさわしい、運動神経抜群、明智香と天野天理とは同じテニス部で大親友。しかし、頭はよくない、馬鹿と言われることもしばしば、常にポジティブ思考。アニメが好きでSNSでは自分の好きな男キャラになり切って話すことが多いらしい、いわゆる中二病。中学一年生。ゲームを通じて少しずつではあるが実力を認められつつある。



 今日は日曜日。部活はなく、チェスの同好会も休み。しかし、新谷朱音はバドミントン部の大会で来れないらしい。ここはオフィスビル会議室5F。中華料理食べ放題無料券1時間分を3枚貰ったアリスだが一枚使いどうせならと思い、残りの二枚を今回のゲームの一位への景品にしようかと企んでいたアリス。この話は他の五人には伝わっている。


「今回は僕を含め6人か、しかし痛手だな…朱音の大会は先に聞いておくべきだった。だが、今回は6人でできるゲームを開催するとしよう。今回のお題は協力、6人となると2vs2vs2の勝負ができることを意味する。何としても天理に僕のゲームに興味を抱かせこのゲームで僕は一番になって見せる。今回一位になれるのは2人、重要なのは協力、さて彼女たちが来たようだ」


「あ、アリスちゃんここでいいのかな?」


「おう、またゲームか、まだ9時だぜ?景品よりもゲームが気になるぜ」


「また面白いゲームを考えてくれたのかね?私もゲームの方に興味があるね」


「アリスか…はぁ…眠い」


「おはよーアリスちゃん、何のゲームかわからないけど今日こそ一位になるよ」


「おはよう、未来、黒龍、明智、天理、さくら、今日は朱音が大会だったとはね、誤算だ」


「もっと伝えるの早かった方が良かったかな?」


「問題ないよ未来、6人でできるゲームとして作ることにしたからね、カードも12種類」


「カード?なにする気だお前」


「じゃあ、主催者でもあり参加者でもある僕からゲーム説明を行うよ」



・ルール


 ランダムに1.2.3と書かれたカードを裏向きに二枚ずつ6枚のうち各プレイヤーは一枚を引く。もちろん自分しか見てはいけない。例えば1を引いた場合1はレストランへ、と書かれていた場合もう一人の1もレストランへと同じ目的地が示されている。そこでようやくパートナーがわかる。

 どちらかは王、どちらかは配下となる。それは話し合いで決める。王が脱落した場合そのチーム自体が脱落。配下が脱落した場合、配下だけが脱落し、王は生き残っているためそのチーム自体は脱落していない者の配下は攻撃防御権すべてを失う。原則、脱落したプレイヤーは攻撃、防御権をすべて失う。

 攻撃、防御権とは何か、数字のカードを引いてもらった後、そのカードとは別に12枚のうち一人2枚裏向きになっているカードを引いてもらう。そのカードはもちろん自分しか見てはいけない。

 ただし、パートナーがわかった時点でパートナーと見せ合うことは可能。パートナーだったとしても交換すること、すべて王に渡すなどという行為はできない。

 カードの種類

・攻撃 基本カード、攻撃カードは防御カードによって防がれる

・防御 基本カード、攻撃カードを出してきたプレイヤーの攻撃カードを防ぐことができる

・盗人 相手が出してきたカードの後に後出しすることでそのカードを奪うことができる

・複製 自分の持っているカードをコピーし、そのカードに変える

・生命 特殊カード、原則脱落した後はカードは使えないがこのカードに限り使用可能、脱落から復帰できる

・逃亡 特殊カード、攻撃や破壊カードから確実に逃れられる

・無効 特殊カード、攻撃カード、破壊カードを無力化する

・交換 特殊カード、このカードを出すとこのカードと相手の出してきたカードを交換できる。原則、使ったカードは紛失し消滅するがこのカードは消滅することなく相手の手に渡り、自分はそのカードを手に入れる

・破壊 攻撃カード、防御カード関係なく脱落させることができる。逃亡、盗人、交換、無効、には無効

・逆襲 特殊カード、瞬殺カード、破壊カード、無効カード、盗人カードを脱落させることができる。ただし、攻撃カード、防御カードが出された場合自分が脱落する。

・瞬殺 攻撃カード、防御カード、破壊カード関係なく脱落させることができる。無効カード、盗人カード、逃走カードは脱落させられない

・復活 特殊カード、味方が脱落しているときに限り相方がこのカードを使うと復活できる


 一時間に一度、指定のポイントにいき、一人一枚カードを補充できる。ただし、特殊カード、生命、逃亡、無効、交換、逆襲、復活カードはなくなるものとする。

 また、同じカードを出された場合相打ち、どちらも脱落しない。

 原則交換カード以外戦闘や効果で使ってしまった場合紛失扱いとし、もう使えない。交換カードは相手の手に渡る。

 遭遇した場合、どちらかが戦闘しますか?といい、相手がはい、といった場合、その相手からカードを見せる、そのあとに聞いてきた人がカードを見せる。

 いいえと答えた場合、戦闘しますか?と言ってきた人が私は戦闘しますといった場合、カードを見せなければならない、見せられたプレイヤーはそのカードを見て戦闘しても良い、逆に戦闘しませんといい避けても良い。

 しかし、10分以上してから同じ相手に声をかけられた場合、勝負しなければならない。

 また、カードを持っていない状態で戦闘しますか?と話しかけられた場合必ずはい、と答えなければならない。その場合、相手がカード、防御カードでも交換カードでも出してきた場合、カードがない時点で脱落となる。その出されたカードは紛失されるがこの場合に限り、交換カードは自分の手元に戻る。

 脱落したプレイヤーのカードは問答無用で消失するが、生命だけは使うことができる。また相方が復活を使って復帰すればカードは元に戻る。



「なるほどなぁ、先にカード見せたほうが不利だなぁ、二枚持ってれば好きなほうで脱落させられるからな」


「ふむ、なかなか覚えるのに苦労しそうだね」


「そこは問題ないよ、ちゃんとカードごとに説明が書いてあるからね」


「キングには生命や復活が有利そうだ…」


「楽しそー、カードゲームだね」


 そして、未来、黒龍、明智、天理、さくら、アリスの順でまずは数字の書かれたカードを引く。そのあとに同じ順番で先ほどの12種類のカードを一人二枚ずつ引く。



 時刻は九時半、指定の場所に到着、もう一人の相方と合流し未来は配下と王を決めるのであった。始まりは10時から、相方に託したい未来であった、果たして未来は王なのか、配下なのか、誰と繋がっているのか。

 10時になり、勝負が始まった、未来の持っていたカードとは?

 最初に遭遇したのはアリス。


「あ、アリスちゃん」


「僕は勝負しないよ」


「あったから話しかけてみただけだよ、私も勝負はしないよ」


 アリスは勝負をする気はないようだ、おそらく強いカードを持っていないと見た未来である。

 次に遭遇したのは黒龍。


「おう未来か、勝負するか?」


 黒龍は強気だ、相当強い特殊カードを持っている可能性が高い。


「私は勝負しません」


「そうか、じゃあな」


 黒龍と逆方向から明智の姿。


「おや、未来さんではないですか?勝負しますか?」


 明智も恐らく攻撃的なカードを隠し持っている。ここは安全策を。


「私はやめておきます」


「それは残念ですね、分かりましたよ」


 それから少し歩いた未来、すると今度は天理の姿が。


「あ、未来さん…」


「天理ちゃんだね」


「勝負しますか?」


 天理も勝負する気満々だ、おそらく強カード持ちだろう。


「私はやめておこうかな」


「そうですか…」


 そうすると天理は去ってしまう。


 天理を追いかけるようなさくらと遭遇。


「未来さん勝負仕掛けてこないんですか?」


「私は勝負はしたくないかな」


「そうですか、分かりましたー」


 それだけ言うとさくらは行ってしまった。

 未来は全員のプレイヤーと遭遇したことになる。つまり先ほどの中に未来と繋がっている王か配下が存在するのだ。



 アリスは何者かと話していた。


「早まる必要はない、僕のカードは強いからね、すぐに勝負を仕掛ける必要はないのだよ、それに一時間たてばカードは三枚になる、一枚補充されるからね」


 アリスは何者かと企んでいる、この勝負に勝つために。



「情報戦か…なかなか面白いが興味がわくと言えばノーだ、アリスにしてはなかなかだ、それにしても面白いカードを引いたな」


 天理は何者かと会話を繰り広げる。



「俺が潰しに行くから問題ねぇ、王だろうが配下だろうが前に出ちゃいけねぇなんて理由なんてねぇしなぁ、どっちが王か、俺たちの繋がりもバレねぇようにしとかねぇとな」


 黒龍は話し合う、それが誰なのかはわからない。



 明智は黒龍を見つけた、明智には自信があった、それだけ強いカードを持っているということだ。


「黒龍さん、勝負しますか?」


「明智か、いいえと答えたらどうする?」


「私ははいと答えましょう」


「ならカードを出せ、それで俺は決める」


 明智はカードを出した。


「なるほどな、俺は勝負はしねぇな」


 明智は黒龍以上に強いカードを持っている、それともこれはフリなのかもしれない、明智と黒龍は繋がっていないという。



 さくらは天理と遭遇した。


「天理ちゃーん」


「さくらか…」


「勝負仕掛けてこないの?」


「勝負する…?」


「いいよー、カード見て決めるけどねー」


 天理はカードを見せる。


「やめとこっかなー、じゃあねー」


 さくらは天理のカードに敵わなかったのだろうか、それともこれもさくらと天理が繋がっていないフリなのだろうか。



 あっという間に一時間、誰か勝負を仕掛けて脱落している可能性もある。しかし、目的地ポイントには全員いた。これからは特殊カードは補充できず、攻撃、防御、盗人、複製、破壊、瞬殺である。未来、黒龍、明智、天理、さくら、アリスの順に引く。もうすでに勝負が何回か行われていてカードが紛失しているプレイヤーも存在するかもしれない。これから自体は大きく動き出す。少なくとも黒龍は明智のカード一枚、さくらは天理のカード一枚は見ているのは確かだ。勝負が行われていないのであれば全員3枚持ちのはず、しかし相打ちの可能性も十分にあり得る。誰がどの陣営か、何のカードを持っているか明かされる。


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