できた後輩 解説

部屋に入るなり警察はあちこち俺の部屋を調べ始めた。

家宅捜索は強制処分とのことで拒否はできないらしい。

ほどなく、ベッドを調べていた警察が俺に



「これに心当たりはありますか」と見せてきた。



ベッドのマットレスをめくると、そこには大量の血痕が。



固まっている血だまりに、女性のものと思われる毛髪も付着していた。



殺されたのは20代の女性、ナオヤの元彼女。

凶器は俺の使っていた包丁。

殺害現場は俺の家であることが、その後の調べで判明。

俺の家の風呂で遺体を処理した形跡があることも確認された。

俺は殺していないこと、家を空けていてそこに後輩のナオヤがきていたことも必死に訴えたが、凶器に俺の指紋しかないことや、殺害されたとされる時間のアリバイが俺にないこともあり、ウラがとれて釈放されるまでに時間がかかってしまった。



つまり俺は、ナオヤ達が逃げる時間稼ぎをさせられたことになる。



 ”これで貸し借りなしということで” と書かれた書き置きの意味が理解できた。





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できた後輩 小丘真知 @co_oka_machi_01

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