私を深く愛したのは

和裁を生業としている男性・杉ちゃんの家に、半ば押し付けるように二つの帯を持ってきた女性。それは、自分を育ててくれなかった、母親のものだった。
母子の謎を追いながら、見えてくる彼女たちの事情が、重く心に圧し掛かってきます。どちらの気持ちが分かるからこそ、辛いものがありました。
この後の、登場人物たちの幸せを願ってやまない、そんな一編です。