スタートラインでステップを踏む

瑞城女子高校に入学したばかりの順は、母の用意してくれた少し窮屈な靴を履いて、学校へ教科書などを貰いに行く。用事を終えて帰ろうとした瞬間、運動場でこの学校に無いはずのバトントワリング部らしき練習の声が聞こえてきて……。
引っ込み思案な一人の少女が、これから新しい一歩を踏み出す瞬間を丁寧に描いた現代ドラマ。重苦しい空気が、ぱっと翻るようなラストシーンが印象的です。
過去や家庭環境、自分自身の気持ちなど、足踏みしてしまう理由はたくさんあります。それでも、新しい場所や仲間、そして自分の本当の心が、足を進めさせてくれるのだと感じました。