世代を超えて紡がれる科学の結晶と人類の滅びと再興の物語

罪人改め方として街を駆け回る主人公のリツキはまだまだ幼さの残る少年。仕事の後の一服に甘味をはじめ美味しいものを食べるシーンは、まさに花より団子で微笑ましいです。

ひょんなことから目覚めさせてしまった少女型科学兵器はまさしくおてんば姫で、次期当主のリツキは気圧されつつも、常に傍にいる人類を滅ぼしかねない軍事兵器(姿は少女)に向き合います。

特筆すべきはこの少女型科学兵器・翠乃が、ただ人間嫌いで破天荒なだけでなく、人類に対する深い洞察や、愚かしく繰り返す人間の所業への憂いを語ること。

庶民の目線から、次第に国の次期当主としての自覚を得ながら、人と翠乃と向き合い、駆け抜けてゆくリツキを温かく見守ってくれる方が一人でも増えたら良いなと思います。