本作のクライマックス読むために有給取りました(実話)。
- ★★★ Excellent!!!
本作の作者である「くろねこ教授」氏の作品を私が初めて読んだのは、『くろねこ男爵の冒険』でした。奇想天外な世界観、メルヘンチックな舞台、可愛らしい登場人物と、まるで絵本の世界に迷い込んだかのような素敵な読後感に浸れる名作です。
その『男爵』を最新話まで読み尽くした時には、私はすっかり「くろねこ教授」氏の虜に。じゃあ次はこのSFチックな作品を楽しもうかなと選んだのが本作。どきどきワクワクしながら最初の一行を読みました。これはどんな絵本の世界かな?
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絵本じゃなくてエロ本の世界じゃねーか!!
ただし、「ストーリーが面白すぎてエロが頭に入らなくなる」系のエロ本なのでご安心を。高校生である主人公は、ある日変身魔法少女と出会います。そして健全な男子高校生の例にもれず、魔法少女と親密な仲に。普通の男子高生じゃない? 失礼、登場人物が個性派ぞろいの本作を読み終えたばかりなもので、「普通」の定義がいささか揺らいでいます。
<登場人物について>
主人公は鬼畜。作品タグにもそう書いてあります。でも陰湿卑劣な鬼畜ではなく、クールでドライ、私もこんな鬼畜になりたいと思わせるような爽やかな鬼畜。どんな鬼畜だよと思われた方は、本作を是非お読みください。
その他の登場人物? 上述のとおり個性的な人たちばかりなので、主だったメンバーの概要を書くだけで文字数オーバーになるので略。
<ストーリーについて>
よく新人賞の応募要項に、「800字程度のあらすじを記載すること」的なルールがありますが、本作のストーリーをその程度の文字数で要約するのは不可能。最近人気のChatGPTとかに要約させてみたい気もしますが、おそらくAIごときに本作の魅力を損なわずに要約することなど無理でしょう。私も無理ですが。
展開は二転三転、しかし核となる部分がしっかりしているので、とにかく読む勢いが止まらない。特に終盤のどんでん返しの連続は、是非ネタバレ無しで一気読みして欲しいと思います。私はそのために有給取りました。PC環境で読んでいましたが、最終話付近では興奮のあまりマウス持つ手が震えました(本当です)。もし電車の中でスマホ読みしてたら、確実に不審者扱いで非常停止ボタン押されてるレベルです。
長さといいセルフレイティングといい、万人にお勧めできないのが残念ですが、長いの平気・残酷描写も暴力描写も性的描写も問題ないという方は、是非年末年始にでもお読みください。
唯一気になったのは、物語の序盤。自衛隊まで出動するゾンビパニックの中でも、テ〇東は平常運転でアニメを放送している描写が。いや待て、そんな大惨事でも特番組まない放送局って正常なのか。まあ〇レ東だからいいか。