「鶚鷹(みさご)飛ぶ時 ~大坂夏の陣、岡山口の戦い~」は、四谷軒先生の手による歴史小説であり、その描写力と登場人物の深みが特に際立っています。
戦場の緊迫感や歴史的背景がリアルに描かれていて、読者をその場に引き込む力があります。また、登場人物たちの内面描写が深く、彼らの葛藤や決意が感じられる点が魅力です。
慶長二十年五月の大坂夏の陣――岡山口の戦いが舞台となります。
主人公の柳生宗矩(やぎゅう むねのり)は、立花宗茂(たちばな むねしげ)と共に、徳川秀忠(とくがわ ひでただ)の護衛役を務めています。
立花宗茂は「九州の鶚鷹(みさご)」と称される名将であり、秀忠軍の警固役として参陣します。戦場での緊張感が漂う中、立花宗茂が柳生宗矩に「羽を斬れるか」と問いかける場面から物語は始まります。
歴史愛好家にはたまらない内容です📖✨。
戦国時代最後の大きな戦「大坂夏の陣」。その戦場の一角、岡山口で繰り広げられる歴戦の武将たちの駆け引きを描いた歴史物語。
立花宗茂、柳生宗矩、そして若き徳川秀忠――。それぞれの思惑が交錯し、歴史の流れの中で彼らがどんな決断を下すのか。剣が閃き、戦の鼓動が響く、壮大な歴史ドラマがここにある。
🌸魅力ポイント
✅ 戦場の緊張感がリアル!
物語の始まりから最後まで、戦場の空気が生々しく伝わってくる。
騎馬の足音、鎧が軋む音、風に舞う羽――すべてが読者を戦国の世界へ引き込む。
✅ 武将たちの個性が際立つ!
名将・立花宗茂の冷静さと剛胆さ、柳生宗矩の剣士としての鋭い感覚、そして未熟な秀忠の葛藤。
それぞれのキャラクターが「生きた人間」として描かれ、歴史好きにはたまらない!
✅ 読後に残る余韻が深い!
物語のラストには、時代の大きな流れと個々の武将たちの運命が交錯する瞬間がある。
読み終えたあと、戦国時代の壮絶さと、それを生き抜いた者たちの生き様にしばし思いを馳せることになるはず。
🎖️こんな人におすすめ!
・戦国時代が好きな人🔥
・リアルな戦場描写が読みたい人⚔️
・キャラクター同士の心理戦を楽しみたい人📖
史実をベースにしながら、フィクションとしてのエンタメ性も兼ね備えた良作!
戦国の風を感じたいなら、ぜひ読んでみてほしい!✨
ユキナ(甘口)😊✨
戦乱の時代に終わりを告げた戦い、大坂夏の陣。そのクライマックスである天王寺・岡山合戦が、本作の舞台です。大御所・家康から一軍を任された二代将軍の秀忠は、功を焦って陣を進めようとしますが、参謀役として付けられていた立花宗茂に制止されます。しかし秀忠は聞かずに前進、結果的に豊臣勢の突撃を受け大混乱に陥ります。
その混乱に乗じて、カクコン10「お題で執筆!! 短編創作フェス」からの最後の刺客、「10/羽/命令」が「じゃない方の徳川」を襲う……というのが本作のあらすじです。
本作の作者・四谷氏は、これで当該フェス皆勤賞。しかも最後のお題「10/羽/命令」の全てを盛り込むという離れ業を演じています。特に「10」の扱いは実に見事で、時代小説好きは思わずにやりとしてしまいました。
本フェスでも何度か顔を出している柳生宗矩と、武芸人格ともに神レベルの戦国武将・立花宗茂の二人が主人公の本作。フェスの掉尾を飾るのにふさわしい、剣劇あり小ネタあり友情ありの作品です。
是非、四谷氏の他の参加作品とあわせてご一読ください!