Scene19 シスター・クリスティーナと俺の海底神殿

第111話

俺は天井を見上げる。

途中までは岩肌。

ここは地下、石段を使って降りて来たのだ。

岩天井の先はガラスの様な透明の素材。

上に透けて見えているのは水。

海だ。

現在俺達は海中に居るのだ。


見張りと戦闘になった俺はまだ自分達の居場所を確認していなかった。

落ち着いて確認してみれば、広場のような場所。

上は海と言う訳だ。


広場の先には神殿のような巨大な建物。

男によると海底神殿と呼んでいるらしい。

その神殿の上部はガラスを越え海へと続いている。

海水が漏れだしてくるのではないか。

そんな恐怖も覚える。

海底への通路をかなりの深さまで俺は降りて来ている。

上の透明素材が割れ、海水が注ぎ込まれたら一瞬でお陀仏だろう。

どうやら頑丈、精緻に出来ているらしく水が漏れる様子は無い。



『プラズマソード』で腕と足を傷つけられた男は降参した。


「女ドモハDeep Ones様ノトコロダ」


男から聞き出した。

現在俺がいる場所は神殿の裏手に当たる。

Deep Onesとやらが居るのは神殿の上部らしい。

透明素材を越え海へ繋がる箇所。

Deep Onesとやらは水棲らしいからな。

海から神殿に入ってくる訳だ。


俺は神殿に入って行く。

上へ向かう通路を探す。

俺とスペース刑事見習いキャンディー、スペース刑事ゲン。


水着女性キャンディーは少し引いてる雰囲気。

せっかくの魅惑の肉体をスペース刑事ゲンの後ろに隠す。


「すいません。

 少し乱暴でしたか。

 自分も知人が捕らわれていますから。

 心配で、つい。

 女性の前でする行動じゃありませんでしたね」

「そうよね。

 女の子を助ける為ですものね」


キャンディーは少し納得したようだが、

まだ俺と距離は取ったまま。


「女が捕らわれてるか。

 マズイかもしれないぞ」


ゲンが言う。


「マズイと言いますと」

「あの男が言ってただろ。

 女どもは捕まえてDeep Ones様のところだと

 ひょっとすると・・・」


「ああっ、ゲン。

 エロい事考えてるでしょ。

 バカバカ、任務中よ」

「誰がだ。

 俺は事実としてだな」


何っ、エロい事だと!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る