硬派なロボ物SF! 命の価値を問え

  • ★★★ Excellent!!!

 ”命”を生産できる科学力。まるで工業製品のように生み出されて行く彼ら。「槍持ち」と「巫女」は、まさに使い捨ての消耗品。

 都市を一歩出るとそこは瓦礫と荒涼の大地。ケモノという、襲い来る脅威から「人間」を護るため、槍持ちと巫女は今日も命を散らす。
 槍持ちがケモノに槍を立て、巫女がそれに祈りを届けてやっと、ケモノを倒す事が出来るから、常に前線に立つのは彼らだった。

 火薬を使う重火器は貴重品で、作られた生命体は安い。現代の倫理観からは相容れない重い設定の中、主人公ユウスケは槍持ちであるという。


 当然彼も、死地に飛び出して行く。そして訪れる全滅の危機に、護衛していた列車の中で運命の出会い。

 不良品の巫女リホ、そして機人……!


 機人に導かれるように乗り込み、ケモノを蹴散らしていく無双のバトル。
 それをきっかけにユウスケは大きく運命を流転。この流れが本当に熱い!

 ケモノとはいったい何なのかという謎、機人の運用を巡る人々の欲や思惑が錯綜し、仲間、家族、そして恋人という存在を得て、作られたはずの命は輝きを増す。

 重い世界観の中にいくつもの愛を織り込み、人間の愚かさと命の価値を問う、熱いロボット物が読みたい方におすすめしたい。

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